David Gilmour - Live in Gdansk

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David Gilmour - Live in Gdansk
Live in Gdansk (Snyp)

 ピーガブとケイト・ブッシュがアーティスト的に割と近い関係にあって、幾つか共演したりしている。一方でケイト・ブッシュってのはピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアが発掘して育ててデビューさせているという経緯がある。しかしながら面白いことにピーガブとギルモアってのはオープンに共演してます的なのは写真程度しか見たことがないので、奇才二人の共演ってのはなかなか難しいのかもな、などと思っていながらそういえばこれ見たいんだった…。

 2006年のライブツアー千秋楽のポーランドのライブを収録したDavid Gilmourソロ名義の「Live in Gdansk」ライブアルバム。見ていると実際は半分Pink Floydをやってるようなモンだからそういう見方になっちゃうんだけどさ、映像の方ね、見かけはそりゃ年取ってるけどもう音は芸術的な域にまで達したギルモアフロイドサウンドの究極の姿かも、ってくらい完璧に仕上がってて、その圧倒的な完成度の高さに驚くばかり。こういうのが当たり前なのかもしれないけどさ、ロジャー・ウォーターズにしてもギルモアにしてもやはりピンク・フロイドっていう芸術集団を担っていた方々はステージや音、芸術性にこだわったスタイルってのが変わらないもんなんなだと。一時期はギルモアフロイド、ロジャー抜きのフロイドって…ってのあったけど、こうなってくるとそれももう超越してて芸術音楽としてのレベルの高さにただただ脱帽。狂気からダイアモンド、そしてエコーズなんてのはもうホント、圧巻です。

 盟友リック・ライトが鍵盤で参加していたツアーで、映像でも見れるけどちょいと感動的だったのはやはりふたりのコーラスワークで、しかも「Comfortably Numb」ではロジャーのパートをリックが歌っててさ、他の人が歌うより説得力あるもんね。明らかに二人フロイドを見せてるライブで、ギルモアのギターと歌をクローズアップしまくってて、ソロ曲は元よりやはりフロイド曲を聴いてしまうよね。当時は前衛的な音楽として知られていたフロイドサウンドが40年経過してもこういう形で芸術的な音楽として今でも脚光を浴びて演奏されるってのは凄いよな。実際聴いてて見てて惹き込まれるし、今の機材だともっと進化したフロイドサウンドなんてのも出来上がっちゃうし、そういうのも実験している感じはあって何気に今でもチャレンジしている姿が聴ける。

 ポーランドという国の雰囲気だろうか、このサウンドと硬質なポーランドの雰囲気と妙にマッチしていて拍車をかけてのライブの完成度を高めている感じだ。いやはや、それにしてもエコーズが凄い…。





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フレ
Posted byフレ

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風呂井戸(photofloyd)  
美しいプリズムを通しての分散した光の色

ロッカーと言うよりはミュージシャンなんですね。ギルモア、ライトはその方向で良かったんでしょうね。ここにロジャーの命が入ってくると、がらっと変わって真の意味のprogressiveの味が出るんですね。プリズムの分散した光は美しいが、そこに紫外線が入ってくると力が出てくるというところでしょう。そのバランスがpink floydだったと思います。

2016/09/25 (Sun) 07:06 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>風呂井戸さん

それぞれのソロ作を聴いていると明らかにその志向性の違いが出てて、非凡な才能の持ち主はギルモアさん、ロジャーは圧倒的意思の塊=コンプレックスの発散としてのロック、かな。
それでもどちらも美しいこだわりってのが芸術性なんでしょうねぇ。

2016/09/28 (Wed) 22:45 | EDIT | REPLY |   

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