Robert Fripp - Exposure

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Robert Fripp - Exposure (1979)
Exposure

 ヨーロッパの音楽に傾倒していったBowieさんが名盤をリリースしまくっていった頃、その雰囲気を作り上げていたのはもちろん稀代の音師、ブライアン・イーノだったのだが、その脇でその不思議な前衛感覚を音にしていくギタリストとしてロバート・フリップ卿という人物がいたのだな。そこでこの二人の化学反応を持ち込みながらも、らしさを失わない強力なサウンドが出来上がったのだが、一方でクリムゾンの音は実に好みで聴きまくってるのだが、ソロ活動系になるとほとんど着手していなかった自分もいた。参加メンバーに食指をソソられなかったのとやはり前衛的な音が中心だからだろうという勝手な予想からだった。

 1979年にリリースされたロバート・フリップのソロ名義の「Exposure」。いや、もっと早く聴いておくべきだったと後悔した一枚。いつものことながらそれでもこうして耳にできた、聴いたってことで良かったな、というのはあるけど、ここまで「Red」時代のクリムゾンの延長線にある曲があるとは思ってなかった。ダリル・ホールと仲良くやってたってのが自分的にはすごくマイナスだったんで、こういう路線とは考えなかったもん。あ、それはもうダリル・ホールとの共作のお話じゃなくて、それ以外の曲のクォリティとピーター・ハミルの旋律と歌声による所が大きい。ダリル・ホールとの共作は全く面白味もなく、なんでこんなのをやりたがったんだろ?と首を傾げる普通にポップス領域の曲調ばかり。それなりに試みはあったんだろうけど、ここで今さらフリップ卿がやる必要はなかったんじゃないかね、って気がする。

 ところがその辺以外の曲について言えば不思議な雰囲気と旋律とアグレッシブなあのギタープレイが楽しめる、もしくはフリップらしいギターの旋律が走りまくる、さらに攻撃的なスタイルが多くのクリムゾン信者を納得させる歪んだギターサウンドが聴ける。そうそう、ダリル・ホールの歌らしいけど「NY3」なんてボウイの「スケアリー・モンスターズ」とほぼ被る取り組みだし、こうして実験的な音は成功へと変わっていくんだなというのを聴ける一例。そういう意味でこのアルバムは価値が高いはずだ。さらに「Mary」でふと女性ボーカルが透き通って出て来るとなんだっけ?くらいに不思議な感覚に襲われる…、ソロアルバムの自由度ってこういう所にあるんだろうなぁ…曲は「風に語りて」的だからおかしくないし。そしてピーター・ハミルと一緒になっての歌とかさ、どちらも自身のバンドじゃあり得ないワケで、だからこそのこういうセッションを楽しんだんだろう、その切実な雰囲気な曲と楽しみが同居している様が聴けて面白い。

 じっくりと何度も聴ける作品じゃないけど楽しめるアルバムで、クレジット追いかけながらなるほど、ってな楽しみ方になるかな、作った時なお話を色々と調べていると結構難産だったらしくポップスター事務所からあれこれと出してくれるな的なクレームが多かったとか…、今なら出せる音ってのもたくさんあるらしい。ブロンディのデボラ・ハリーが参加してるヤツとかね。



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フレ
Posted byフレ

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zitada  

自分も今更ダリル・ホールのソロ1stを安さにつられて買ってしまったんですが
やっぱり1~2回聴いて「もういいやって」なっちゃっいました
まぁ歴史的価値ってやつなんでしょうか・・・同じようなものでピーター・ガブリエルのソロもありますが・・・
イーノ周辺で良いのかなと思いますがついつい集めてしまうんですよね
でもSunday All Over the Worldはたまに聴いてます

2016/09/23 (Fri) 17:51 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>zitadaさん

ハマれないけど聴いておきたいかな、みたいなトコですかね。

2016/09/28 (Wed) 22:43 | EDIT | REPLY |   

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