Altan - Blackwater
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再びアイルランドに戻り今や大御所となったアルタンを取り上げてみよう。この人達、即ちマレードの人生なんだけどパッと経歴を見るだけでも既にドラマティックというのか、感情移入してしまう。もちろんそこから紡ぎ出される音楽が繊細で美しいからこそ納得感があるんだけどさ。だから今回は彼女たちの「Blackwater」を取り上げておきたい。
1970年代後半マレードと当時はまだ結婚していなかった後の夫となるフランキーは二人とも教師をしていたが、二人して音楽好きでマレードは歌とフィドルを、そしてフランキーはフルートで密やかに音楽作りに励んでいたそうな。1979年になると二人の名義でいくつかの曲を発表し、1983年にはアルバムリリースできることとなり「北の調べ」として発売され、それから5年後にはもう一枚、決定的なアルバム「Altan」をリリース。ここで教師の道からは外れ、音楽家へと進むことにした二人はこの時のバックメンバーをバンドメンバーとして、バンド名にアルタンと付けたワケだ。まぁ、かっこいいよなぁ。で、問題はその後で、マレードの夫でもありバンドのリーダーでもあったフランキーが1994年にガンで他界してしまうのだよ。それでもバンドは続けろという遺言もあってマレードはバンドを継続して今に至るワケだ。で、その1994年の転機にリリースされたアルバムが「Blackwater」。アン・ブリッグスが世に出して有名にしたアレ、そしてジミー・ペイジがパクって更に有名にしたあの曲を取り上げたアルバム。もちろん他の曲もそういった背景を知ってから聴くとなるほど迫ってくるものがある。単純に音楽的にもハイレベルの代物だが、アルタンの音楽性を見事に継承しているし、これからも全く不安な要素がないような突き進み方でのサウンドはやっぱりいつ聴いても芯が通っていて響くものがある。そんな感じ。
この手のバンドってパッと聴いただけだと正直どれを聴いててもあまり差がなくってBGM的に聴く方が多いんだけどアルタンはそういう意味ではやっぱり耳が惹かれるっていうサウンドなんだよね。理由はわからないんだけど、引き込まれる。これも初期よりも後期の方が好きだなぁ。結構ケルト系の音楽って古いのよりもちょっとアレンジされている方が好き…ってことは市場にハメられているのかもしれない(笑)。
ちょっと前にタワーレコードの特売コーナーでアイルランドの原曲ばかりを集めた3CDがあって、安かったのでさっと購入したんだけどこれはねぇ、やっぱりダブリナーズみたいなもんで安い酒場での音楽の寄せ集めなので煌びやかさは全くなくって、でもアイルランドを感じさせる曲ばっかでさ。どっちかっつうとシン・リジィ的かもしれん。原曲は原曲でいいけど、それから進化させたものの方がね、やっぱり良いんだよ。



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