Henry Lowther Band - Child Song

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Henry Lowther Band - Child Song (1970)
CHILD SONG

 70年代英国ジャズロックの世界は普通にジャズの要素を用いてきたものとフリージャズの世界の原点的なアプローチ、はたまたフュージョンへの布石だったりポップフリージャズとも言えるカンタベリーの世界など多岐にわたる展開を見せていた。それぞれひとつのムーブメントになったワケでもないけど、そういう実験精神から生まれて商売になっていったものもあるし、ニッチな世界を広げていった例もある。自分的にはこの辺何でも聞いたけど、電子ピアノとトランペットやバイオリンなどの不思議な音色で彩られる作品は浮遊感漂ってて好きな部類だ。

 Henry Lowther Bandの1970年にリリースした「Child Song」ってのは随分後になってから聴いたので一時期ハマってたカンタベリーに近いその音色にはちょいと興奮したものだ。してみればその筋では知られたトランペットとバイオリン奏者ってことでロック色よりもジャズ色が強い人だったらしいけど、「Child Song」を聴いているとカンタベリーな世界だ。電子ピアノがねぇ、いいんだよ、ホント。んでも、確かに歌は少ないし演奏ばかり聴かせているアルバムだからジャズ色強いんだよな。こういうのって聴いててハマれるかどうか、ってだけで、曲が良いとかどうのってのはきちんと言い切れない気がする。こういうジャズへのアプローチもあるロックの世界なんだな、っていう程度で聴いてみるきっかけになれば良いよね。

 美しい。ひとことで言うと上品で格調高く洗練された音がアルバム全編に渡って展開されている。粗野で無益な音はまるで皆無、ひとつの芸術作品として作り上げてる事が一目瞭然と分かるくらいに整った作品。それが故にロック的スタンスだと面白みはないけど、音楽的芸術の極みで言えばトップクラスの出来なことは言うまでもない。ず〜っと電子ピアノにヤラれっぱなしです(笑)。



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フレ
Posted byフレ

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