Strawbs - Dragonfly

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Strawbs - Dragonfly (1970)
Dragonfly

 アルバムに於けるプロデューサーの役割というものをイマイチよく把握していない。名前からして創り上げる人という役割なのでそのものズバリなのだが、実際は作るのはバンドなワケだろうし、それを料理する役割なら分かるんだけど、創り上げる役割なので、じゃ曲も何も全部作るのか?ってぇとそうでもない。だからどこまでがプロデューサーの役割で変わっていくのか、バンドの役割はどこまで?みたいなのがよく判ってないんですな。

 そのプロデューサーに有名なトニー・ヴィスコンティを迎えて制作された1970年のStrawbsの2枚目のアルバム「Dragonfly」。話題的にはそのトニー・ヴィスコンティの繋がりからリック・ウェイクマンが一曲参加して、次のアルバムではメンバーと同じ仕事量をこなすというイエスでの知名度が上がる前の仕事として知られている。一方デヴィッド・ボウイのこの頃の作品もトニー・ヴィスコンティのプロデュースだったこともあり、同じくリック・ウェイクマンは参加していたりするので、この辺の音の質感は割と似通っているが、もちろんStrawbsの音は幻想的なフォークにサイケ、アシッド風味がまだまだ時代を色濃く残した音触りで、そこからの離脱を目指したボウイあたりとは大きく異なり、思い切りど真ん中の音が出されている。その分個性は埋もれてしまっているようにも聞こえることからしても今作はそこまでの作品と言えるようだ。

 ただ、この手の音を聴くならStrawbsはアリだろうな、というレベル感での作品には仕上がっている。さすがに今聴くと古臭く感じる部分が大きいけどこの野心は時代の反映として重要だろう。バンドは後にどんどんと進化していくワケだし、こういう音から始まっていたこともバンドの進むべき道としては納得感がある。自分的には中期以降の方が好きだけどね。このヘンの初期のってどうにも静かに自己満足的な音なので少々飽きてくる。もっともフワフワとした幻想的な感覚は嫌いじゃない。フルートにシタール、チェロやらストリングス、ピアノやアコギなどどうにもロックから離れた音が美しく鳴り響く世界感は珠玉の情景を魅せてくれるからね。



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フレ
Posted byフレ

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