Planxty - Planxty

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Planxty - Planxty (1973)
Planxty

 その土地土地での土着的音楽ってのはやっぱり追求しないと外からはわからないし、そこにいるから、と言うだけで出来てしまう人もいるワケで、どこへ行ったってそういう土着的なものはあるし、その民族性なり地域性なりが面白く聞こえてくるものだ。歌詞にしてもやはりトラッド的なものになると歴史的背景からその土地、狭い地域での物語が組み込まれていたり伝承文学みたいなのが入っていたりと楽しめるものだ。ロックを遡るとそのヘンにも行き着くし、それを追求して始めてロックに戻ってきた時にその根底にあるものが判ってくる事も多い。どっからその宇宙的メロディが出てきたんだ?ってのはね、やっぱりそれなりにルーツがあるもんなんです。

 Planxtyというドーナル・ラニー参加の最初のアルバム「Planxty」が1973年にリリースされていて、当時から…と言うか今となってはスーパーバンドという呼ばれ方になっているけど、アイルランドの伝承音楽の中でも最も有名と言われるドーナル・ラニーってここから出てきたんだ、という捉え方で知った。いやいや見事なまでにケルティックなトラッドで、英国のそれとかなり近しい感じでの音楽を奏でているのはどっちがどっちの影響?ってなくらいだ。しかし何だろね、これ、ブズーキの改良版を持ち込んだってあるけど、この音なんだろう。印象的な音色がアルバム全体を支配していて、独特の個性を放っている。歌は歌で見事にトラッドそのものの歌で、英国のはどっちかっつうと牧歌的というイメージがあるが、こっちのはそんなに牧歌的ではなくて、もうちょっと刹那的と言うか…。

 ドーナル・ラニーって後になればなるほどに重鎮化されていて、アイルランドを代表するバンド連中の誰もが慕っている人みたい。自分もそのヘンから名前を知ったのかな、こういう姿での音楽を奏でていた人なんだ、というのは知ってはいたけどじっくり向き合ったのは今回が初めて。トラッドにハマってる時だったらもっと面白く聞いただろうけど、最近はもっとガツンってのが好みだからルーツ的な意味では抑えておきたいアルバム、という位置付けだ。



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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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背中合わせ  
アイルランドの曲の中には

曲調は明るいのに歌詞を見ると何百年も前の歴史的恨み言が綴られていたりしてびっくりすることがありますね。
後の記事のForgiven,Not Forgotten、知らずに買ったらMinstrel Boyという曲が入っていました。Corrs版もなかなかよかったです♪
この曲が好きでいろんな人のバージョンを聴いているのですが、今のところ一番心に深く残ったのはジョー・ストラマーGLOBAL A GO-GOの中の長ーいのです。

2016/06/26 (Sun) 13:26 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>背中合わせさん

映画ブラックホークダウンで使われてますね。あの長々したのは迫力あって好きです。

2016/07/02 (Sat) 18:00 | EDIT | REPLY |   

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