Phil Woods & The European Rythm Machine - Alive and Well in Paris



アルトサックスの名演と云えば、ちょっと時代は後の方になるけれどチャーリー・パーカー直系の影響下にあったフィル・ウッズがフランスに渡って録音した作品「フィル・ウッズ&ヨーロピアン・リズム・マシーン」が心地良い。アルバムジャケットを見る限りではこの作品「Alive And Well In Paris」と1968年当時パリに渡りこの名作を作った時のそのものをタイトルにしているのだが何故か邦題は「フィル・ウッズ&ヨーロピアン・リズム・マシーン」なのだ(笑)。
ま、それはともかくこのアルバムの一発目に入っている「若かりし日」という曲、これに尽きる。とにかく演歌の血が通っている日本人であれば必ず好きになるだろう(笑)。いや、冗談抜きに火曜サスペンスのバックで流れてきそうな哀愁漂うメロディが印象的で正にフランスを意識した見事なイントロからそのメロディをモチーフとしたバップ系ジャズが始められるのだが、ジョージ・グランツのピアノがかなりプログレッシヴなものなので面白い。そういう意味でアメリカではなかなか出てこないジャズの交わりなのかもしれないなぁと思うが、息を尽かせぬサックスのメロディの連呼にはただただ聴き入るのみ。多分玄人さんにはあまりウケが良くないんだろうと思うが、自分的には凄く好きだね、この作品。もともとジャズの録音ってのはライブが基本だから常に緊張感が高くて当然なんだけど、そのテンションがロック好きには堪らないところで、アドリブの応酬ってのもやっぱりかっこよく決まっているんだよな。
時代的に1968年のパリっつうことでロックが出始めてきた頃だし、少なからずそのエネルギーってものはジャズ界にも影響を及ぼしていたと思いたいんだけどどうなんだろ?独特の世界で進んでいるジャズ界だからあんまり関係ないのかもしれないけど、正にクリームがやっていたものと同じ世界なワケで、いや、もちろんどっちが先かなんてのは知ってるけどさ、なんかそういうのあっても良いじゃん。後にギル・エヴァンスがジミヘンのカバーアルバム「プレイズ・ジミ・ヘンドリックス」ってのを作るんだけどさ、そういう楽しさ、ね。


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