Rainbow - Difficult to Cure

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Rainbow - Difficult to Cure (1981)
Difficult to Cure

 自分にとってここ10年は間違いなく「最近」という言葉の単位になるし、ここ20年だって1996年から、ってなるワケだから「最近」とまでは言わないけど「割と最近のことだよな」という程度の「最近」という意味合いには入る。90年頃になると「まぁ、新しいよな」という感覚で80年代も似たような感覚はある。70年代は一気に「古い時代の」になるので面白いものだが、それだけ自分の中での時間間隔に変化があるということだけど、実際ロックシーンでの10年単位ってのもそういう時間軸に近いんじゃないだろうか。70年代なんて5年続けば大したものだったのに、今じゃ20年続いてても割と最近、みたいな風潮あるでしょ。まぁ、自分の時間感覚との違いなのかもしれないけど、70年代は濃かったもん。

 1981年にRainbowがボーカルにジョー・リン・ターナーを迎えての最初のアルバム「Difficult to Cure」。リアルタイムで聴いていた人達の反応は見事にポップ化になったこの作品への抵抗が凄かったと言う。自分が後からRainbowを聴いても同じことはやはり思うし、こんなにポップでキャッチーになった作品ってのはどうなんだ?って気がするしね。もちろんカネが稼ぎたかったバンドメンバーとしてはこういうのもありだったろうし、こうでもしていかないと売れないワケだし、その意味ではアメリカでの成功は手に入ったのだから正しかったと言えるだろう。ロックバンドとそのファンの関係ってのは作品にバンドの意思が込められていて、それがどんだけ伝わるかってのがある。この場合もちろん言葉じゃなくって音だけで伝えるしかないから、バンド側は難しくなる。それが通じれば音楽性の変化進化は進むんだけど、突然変わると戸惑い離れる…、面白いもので、ファンってそういうのを肌で感じるんだよね。だから商業主義に走ったとか言われるのって多分そういう意思があったから言われることだろうし、この作品も裏切り者と言われたのは多分そういう意思があったんだろう。実際そうだった訳だし。だからその時は離れた人、メンバーも含めて多かったってことだ。

 それでも一方では音楽的な所で聞いていくとどうなのか?これがしっかりとレインボウらしいと言うかリッチーらしいという部分は全編に渡って浸透していて何ら商業路線が邪魔をしているワケじゃなくて練られてこねられて作り上げられている。その意味では過去アルバムよりも作り込まれているかもしれない。鍵盤の音がクローズアップされてて、それがポップな音色なので曲がポップだという印象が強いのだろうけど、しっかりハードロックしてるのも多い。中にはなんだこりゃ?ってのもあって許せないのは判るんだが(笑)。いや、自分的には全然聴かないアルバムだから、何ら問題なくってね、ジョー・リン・ターナーがどうとかまるで無いからさ、しかも時代が80年代入ってるから既に70年代の古参バンドという見方もあってね、レインボウのこの5年ってのは濃すぎたからさ、そういうのもあって冒頭の文章になるのだ。ただ、この「Difficult to Cure」は好き嫌いあれどレインボウの名を上げたアルバムでもあろうし、リッチーの作品の中でも悪くないアルバムだろうと思うな。




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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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おっさん  

バビロンの城門の頃からポップ化は言われてましたね。
個人的には「Difficult to Cure」は好きですけど。

2016/05/26 (Thu) 07:17 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>おっさん

バビロンはそこまでな気がしないですけどね、当時はそうだったのかも…。

2016/05/29 (Sun) 20:43 | EDIT | REPLY |   

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