Van Der Graaf - The Quiet Zone / The Pleasure Dome

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Van Der Graaf - The Quiet Zone / The Pleasure Dome (1977)
ザ・クワイエット・ゾーン/ザ・プレジャー・ドーム+3

 あまり引き摺られないようにしているんだけど、バイオリンの入ったロックがなぜか続いている。それだけたくさんあったってことだろうし、やっぱり音色の特性からしてエキセントリックなサウンドが出てくるから刺激的なんだろうね。ロックにも合う音だし、それでいてもちろんクラシカルな楽器だから正統派だし、うん、そんなことで亜流な自分からすると面白い楽器でもあり、本来の楽器という尊敬もあるのかな、本来のってヘンだけど…。

 そんなバイオリンを見事にパンクなまでに昇華させた人、ってワケじゃないけどデヴィッド・グレアム参加のVan der Graaf名義での8枚目の作品「The Quiet Zone / The Pleasure Dome」。ガラリとバンドメンバーを一新しての作品で、タイトル通りに静と動なワケだが、どっちかっつうと動の方が強烈で、ピーター・ハミルの攻撃的なスタイルが見え隠れ…そこにバイオリンのヒステリックな音が狂気のように刺さり、冷淡なリズム隊の間を泳いでいる…、その真骨頂は次作ライブアルバム「Vital-live」で炸裂するのだが、これまでのバンドのキャリアを好んでいた人達は呆然と見守っていたに違いない、果たしてどこまで行ってしまうのか、なんて…。自分的にはこの変化がかなり好きで、今思っても多分バイオリンの狂乱ぶりが良かったんだろうなぁと。元々ハミルの歌は冷酷ですらあったから、それは好き嫌いあるだろうけど、こうして冷の部分を増長してしまうかのようなバイオリンの音色が重なるとグッとそっちに持っていかれるってのが面白い。

 今聴いてもかなり刺激的なアルバムだし、他にはない作品、彼ら自身もここでしか出てきていない音だし、もうちょっと表立った評価があっても良かろうと言う気もするけど、大抵はこの作品って粗末に扱われることが多い気がする。初心者には薦めないけどさ、ある程度VdGG聴いた人ならここまで辿り着いても楽しめるだろうし、「Vital-live」聴いて驚愕した人はこっちの原点も再確認ってありだろうし…、もっともそんなの皆やってることだろうが。根底にあるハミルのスタイルは変化ないどころか深化しているから、より響きやすいスタイルで発しているだけとも言えるのか、ホントに奥深い作品で何度も何度も聴いていく作品な気がしてます。





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フレ
Posted byフレ

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