Bird - Original Soundtrack



全く娯楽に於いてのアメリカ文化の幅の広さには脱帽するばかりで、垂れ流しの文化とも云う面も多いがしっかりと楽しませてくれるモノも多い。中でも音楽物に関しては感動しっぱなしというものもあり、映画を見てついぞ涙したくなるものもあるのだ。80年代初頭にはミーハーな音楽物が多数制作され先だって取り上げたものもあり、80年代という世代を築き上げた部分も大きかったが今回は1988年制作となった快心の作品を取り上げてみよう。
監督:クリント・イーストウッドによる「バード」。そう、ジャズ界でのサックスの革命者チャーリー・パーカーの生涯を描いた作品で音楽好きのイーストウッドらしい作品なんだけど、そんなのはどうでも良くて、そこに使われている音楽が心に染み入るのだ。もちろんチャーリー・パーカーが残した作品ばかりで構成されたオリジナル・サウンドトラックがリリースされているので、手っ取り早く聴いてみたい人にはお勧めだし、パーカーって人はかなり個性的な音楽性を持っているのでこのサントラくらいに纏められている方が聴きやすいと思う。独自でアルバム揃えてってやってると結構大変だと思う。
うん、映画で見る彼の人生ってかなり悲惨なものだったんだなぁ、と思う。なんか時代が違うだけでロックの偉人達と大して変わらない人生を生きててさ、やっぱりヤクや酒、そしてオーナーとか富裕層との対立があって、でもライブハウスと音楽が人生の支えで…なんて感じでやっぱ芸術肌の人は人との関わりという部分では弱いんかなぁ、と。そんな人が生み出す音楽ってのはやっぱり心に染み入らないワケがなくって、映画のシーンと相まってという感傷もあるかもしれないけど、やっぱりパーカーのサックスが素晴らしいのだ。ジャズだのブルースだのと拘る必要もなくて魂の叫びという聴き方ができるならば絶対に響くハズなんだよな、こういうの。それをたまたま映画で見せられたのがきっかけってのもあるけど、いいんだよね、そうやって文化は引き継がれていくのだ(笑)。



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