UFO - No Place to Run

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UFO - No Place to Run (1980)
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 ロックという定義からハードロックというものが出てきて、それなりに形が整ってきたのが70年代後半くらい。そのヘンからはハードロックと後にメタルへと流れるであろうスタイルとはきちんと区別できるくらいに音の違いは明らかになってきていた気がする。その中間を行くバンドもあったけど、多くは微妙な線できっちり分かれてるように思えるもん。今から見ればそれは多分ルーツとして辿れるかどうかで分かる事だろうとは思うが、そういう言い方になるとハードロックってのは確実に衰退の傾向にあったワケだ。ヘヴィメタルからの源流としたサウンドの方が以降長く好まれているみたい。

 U.F.Oもその一味で、今回はマイケル・シェンカー離脱後の1980年リリース作品「No Place to Run」だ。ご存知ポール・チャップマンという隠れた名ギタリストを配してのU.F.O再始動。バンドからしてみれば厄介者マイケルを捨てて、まともに仕事を進めていけるギタリストを入れての活動なので、傍から見てマイケルいないなら聴いても…、みたいなのとは逆にこれでようやくバンドの良さが出せるぜ、と言わんばかりの勢いを持っていたようだが、それはどっちの解釈が正しかったのかはわからない。それでモチベーションを保っていけるならそれで良かったんだろう。後追いの自分はマイケル・シェンカーいなきゃ聴いてもしょうがないから、って聴いてなかったのは事実だ。バンドの音楽を聞くと言うよりはギターを聞くというスタンスでのバンドでしかなかったからね。その理由はやっぱりU.F.Oってバンドはどこかもっさりとした感があって、フィル・モグの歌にしても抜けてこないし、ドラムが派手なワケでもないしベースもオーソドックスなスタイルだし、特に秀でてくるものって見当たらないから、マイケル・シェンカーのギターだけが全てという風に聴いてた。

 ところがこの「No Place to Run」をいているとU.F.Oって如何に英国ハードロック的バンドかってのが分かる。ちょいとイモ臭い部分があるからこそ余計にそうなんだろうなぁ、なんて思いながら聴いてた。ポール・チャップマンのギターも個性的では無いけどしっかりしているし、楽曲群も勢いあるし、なかなかの秀作。この渋いカッコ良さにハマる人ってのも今更ながら多くはないのだろうけど、こういう湿っぽさってのが良い。






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フレ
Posted byフレ

Comments 3

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お〜ぐろ  

あっしなんかもマイケル・シェンカーからHR/HMを聴くようになったようなもんすけど
コレとかMechanixとか結構好きですね
曲とかポール・チャップマンに関してはもう書いてある通りで・・・
評価は低いすけど名盤

2016/04/28 (Thu) 22:25 | EDIT | REPLY |   
おっさん  

Strangers In The Nightが凄かったので、
このメンバーになって来日したとき
マイケルいないのでがっかりの記憶があります。

2016/04/29 (Fri) 06:21 | EDIT | REPLY |   
フレ  
UFO

>お〜ぐろさん
評価って何十年経っても変わらないものもありますもんねぇ。

>おっさん
でしょうねぇ…、情報不足の時代だったし。

2016/05/01 (Sun) 21:49 | EDIT | REPLY |   

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