Henry Cow - In Praise of Learning

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Henry Cow - In Praise of Learning (1976)
イン・プレイズ・オヴ・ラーニング

 いい歳になってからレコード漁りにハマっているヤツがいて、たまに顔を合わせるといつも「また買っちゃったよ〜」と嬉しそうにそして辛そうに言ってくるんだよ(笑)。何買ったんだ?とかそれどうだったの?とか会話はあるんだけど、やっぱり嬉しそうなんだよねぇ、好きなことに邁進している時ってさ。ささやかな楽しみだし、それで若い頃を思い出してそのままに楽しむとかね、今だったら割と色々手に入るし。ところが今でもレコードを探して買うワケ。見つければそりゃ安いんだろうけど、この時代でちゃんとレコード、オリジナル盤とかで買うワケよ。凄いコレクターだな〜って思うけど多分そういうジジイ、多いんじゃないかと(笑)。

 1976年作品の靴下作三枚目、ヘンリー・カウの「In Praise of Learning」。一言で言えばとっても怖いアルバム。何が怖いってジャケットの不気味な血の色もそうだけど、ダグマー・クラウゼが参加したことで戸川純のもっと怖いのが歌っているという不気味さ。ただでさえ不気味なインストものを中心として前衛的バンドだったのが普通に歌が加わるならともかく不気味なセンスの持ち主がスラップ・ハッピーとの合体で参加してきたもんだからより一層不気味になってきた。これ、言葉で説明しきれないけど、相当に不気味。でも、歌メロは割と聞きやすかったりするんで、どういう事なのかなと思う部分はあるのだが…。スラップ・ハッピーのは歌がキッチュでとっても聞きやすかったんだけど、こっちはもう行き過ぎてる世界とも言えるか。昔結構好きで聴いてたけど、今聴くとヘヴィだなぁ、これ。プログレとかカンタベリーとか言うよりも演劇世界に近い。チェンバー・ロックってのももう超えてるし、その辺とケイト・ブッシュが合わさったようなサウンドでとってもリスナーを選ぶのは間違いない。

 バンドの演奏も実に緊張感に溢れていて即興もあるだろうし、決め事ももちろんあるだろうけど、研ぎ澄まされたセンスと音世界の中でお互いの出処見ながらアンサンブルを創り上げているような感覚。そこにこの歌だ。よく歌えたものだ、って部分もあるけど、この緊張感とか緊迫感とかは何かしながら聴くなんてのは無理で、集中してコイツを聴く…ってか聴いちゃう。そうじゃないと全然わかんないでしょ、これ。




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フレ
Posted byフレ

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