Robert Wyatt - Ruth is Stranger Than Richard

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Robert Wyatt - Ruth is Stranger Than Richard (1975)
ラス・イズ・ストレンジャー・ザン・リチャード

 ユルユルなケビン・エアーズの歌に対して内省的でしっとりと心に染み入る曲を歌うロバート・ワイアットの世界観は方法論も音楽も違うけど、とっても親しいモノを感じる。何だろな、これは…、そこがカンタベリーなトコロなのかもしれないけど、やはり同じ釜の飯を食ってた仲間というトコロ故なのかな。気分的に楽観的に聴くならケビン・エアーズだけどしっとりと聴いてみようとするとやっぱりロバート・ワイアットだし、それはもうマッチング・モウルやソフツの世界でも一際浮いている世界観、今更なお話か。

 ロバート・ワイアットの半身不随な事故から2枚目となったソロアルバム「Ruth is Stranger Than Richard」はアナログ時代のA面とB面でテーマを分けてのスタイルで録音されたアルバムで、曲によってはイーノの影響がとっても強いものもあって決して一言で聴きやすいアルバムとは言えない。しかし、深みのある、そしてロバート・ワイアットらしく哀愁のある作風になってて、その世界好きには堪らなく魅惑的な作品に仕上がっている。この人のこの愛おしい感じの歌声とメロディラインってやっぱり才能だよ。そこにジャズ紛いなバックがついてくるのも見事で、そりゃもうフレッド・フリスやビル・マコーミックがいたりするのもあるだろうし、曲はブライアン・ホッパーやマンザネラが提供してたりするし何か凄い世界。それが皆友人なんだから面白いよなぁ。

 そして楽しみなB面、これがまたロバート・ワイアットの世界全開で正にプログレッシブな世界、フレッド・フリスのピアノでしっとり進めていく独自世界でねぇ…、なんとも言えない感じ。ジャズじゃないしロックじゃないしもちろんポップスでもないし、やっぱりカンタベリーポップなんだろうな、これ。この感覚久しぶりなのでやっぱりちょっと衝撃を受けた。聴いてるとだんだんそうだったなって思い起こしてきたけど、こういう風にまた衝撃を感じられるのはいいな。面白いし、やっぱりその意味ではロック的な音なんだな。






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フレ
Posted byフレ

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