坂本 龍一 - 千のナイフ

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坂本 龍一 - 千のナイフ (1978)
千のナイフ (SACD ハイブリッド)

 「8ビートギャグ」のインパクトはデカかった。女の子に「面白いよ〜」って見せてもらったんだけど強烈だったもんな。中でもモンちゃんと教授とデビちゃんのインパクトは強烈に残ってて、よくぞあの人気全盛期にアレを書いてそのまま何も無く、どころかアーティスト本人達からも好まれているという風に進んでて何とも不思議なものだと思った。だからさ、デビシルが出てくるとどうしても教授って思っちゃうワケでね、それはそれで良いのかどうか…。

 …ってことで教授…、坂本龍一氏の1978年のソロ名義デビューアルバム「千のナイフ」。同年11月にYMOがデビューしているということで、とんでもなく忙しい人だったんじゃないだろうか?若かりし頃はそういうの平気でこなしちゃうってのあるんだろうけど、それでも作品のクォリティがまるで落ちない…ってかYMOの方は自信がメインパーソナルじゃなくて進んでたからかもしれないが。それにしてもだ、この「千のナイフ」というアルバム、今聴いてもぶっ飛ぶくらいに衝撃的な作品なので、当時からしたらホント、世界中からぶっ飛ぶ作品に思われたんじゃないかなぁ。現代音楽的な手法の中に渡辺香津美さんのギターが強烈に迸ってて、それでいてミニマルが流れているという…打楽器の音は和太鼓的な音色も組み込まれているのに単純にその音じゃないからどこか「和」を感じるけど何だろ?みたいに思っちゃう節がある。更にその上を電子音が飛び交うワケで、一般的なポップスとか音楽とかってのを軽く超越した現代音楽、でもとっても聴きやすいし、そりゃもちろんYMOでやっててもおかしくないだろなってのもあるし、いや、やっぱり凄い人だ。

 坂本龍一さん、と言うかYMOが好きとかわからなかったもんなぁ、昔は。ましてや教授のソロアルバムって「戦メリ」ですらあの曲くらいしか聴いてなかったからだけど、もっと肉体的なロックを好んでいたからこういう音楽的に高尚なのはよくわかんなかったって話。さすがに何十年も色々と聴いてるとこの作品の凄さがわかってくる次第で、70年代のアバンギャルドに近いプログレ、ドイツのプログレ辺りと比較してもそりゃレベル高いし、なるほど、そういうことで教授の知名度は圧倒的なんだ…と。それでも「和」を常に感じるのは音色と音階なんかだろうなぁ…、日本人的に誇らしい音ですな。







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フレ
Posted byフレ

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sinz  

小学生の時、友人がレコードからカセットテープに録音して、「いいから聴いてみろ」と無理やり渡されたのが「Technodelic」でした。
当時は摩訶不思議な音楽でイマイチ理解できずスルーしておりましたが、いや、今聴くとやっぱりインパクトありますね。
ロックにのめり込んであらためて聴くと、ジャーマンプログレとかクラウトロックとの繋がりが見えたりして面白いです。
「当時の機材は熱に弱くライブで音を同期させるのも大変だった」と坂本教授が語っていたのを何かで読んだ記憶がありますが、ある意味テクノロジーの方が彼らに追いついてなかったんでしょうね。
今じゃ同期なんて簡単ですけど。

2016/01/15 (Fri) 23:48 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>sinzさん

とっても音楽してたんだろうなぁ、と今ならわかりますね。
やっぱりどうあれ天才な人なんだろうと。

2016/01/18 (Mon) 22:04 | EDIT | REPLY |   

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