Mountain - Flowers Of Evil
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アメリカを代表する巨漢ギタリストと云えば、そう、マウンテンのレズリー・ウェストだな。大体がロックミュージシャンってのはやせ細った不健康な格好で人前に出てくるってのが常だった時代にそんな健康そうなでぶっちょなガタイで出てくるってのが既にインパクト絶大で、ルックスだけだったら絶対にダメだった。ところがフェリックス・パパラルディの才覚なのか、レスリー・ウェストのギターの才能のおかげか、多分どちらもあったと思うが、マウンテンというバンドは1970年代を迎えたアメリカンハードロックの雄として世界中で君臨していたのだ。
アルバム的には「悪の華」あたりが名盤として語られているかな。それはマウンテンの真骨頂でもあるライブ演奏がB面全てに渡って長々と収録されていることが大きい。1971年にそのようなライブアルバムは正しくクリームでしか聴かれることはなかったようで、まだまだ珍しいものだっただろうからね。それももちろんフェリックスの仕掛けだったと考えればやっぱりマウンテンはアメリカのクリームを狙っていて、しかもその上を行くバンドにしたかったんだという意思を感じるね。ま、そういう点は全然問題なくて、やっぱサウンド面ではブルース+ロックみたいなところにあって、鍵盤いるからもうちょっと幅が広がってるけど、基本的にはそのままでアメリカ人的な面が出ている。でも英国寄りなサウンドではある。前作「ナンタケット・スレイライド」では楽曲レベルがグンと上がっていてある意味プログレッシブな領域にも突入しているけど、その反面でこんなライブをリスナーに聴かせる事でファンの身近にいるバンドだと認識させたのかな。なんかね、そういった戦略的なところが見えてしまうよな。
それはともかく、レスリー・ウェストのギタープレイだが、実にユニーク。フェリックスがわざわざ引っ張ってきたのも納得できるくらいの個性的なサウンドを奏でるギタリストで、ブルージーなフレーズはもちろんだけど、あのピッキングハーモニクスが実にワイルドで気持ち良く決まるのが心地良い。それもセンス良いところできっちりと入ってくるから上手いなぁ、と。全体的には滅茶苦茶アバウトなプレイなのでとてもクリームの二番煎じはできるって云うんじゃないけど、個性的サウンドって意味ではバッチリ。今でも色々な人と演奏しているみたいで、あのままやってるんだとしたら結構凄い(笑)。やっぱり音のぶつかり合いが聴けるバンドはライブが楽しいね。
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