Meat Loaf - Bat Out Of Hell



1977年全米ナンバーワンを獲得したアルバムのひとつに「地獄のロックライダー」というものがある。そう、巨漢ミート・ローフの最高傑作として今でも名高い作品だ。まぁ、悪魔とか地獄とかっていうのを何となく茶化して使っているからそんなにマジになることはないんだけど、それでもそういうイメージの作品がナンバーワンを獲得っつうのは面白いなぁと思う。もちろん作品の素晴らしさがそういったことの全てを不要のものにしてしまうだけの説得力を持っているワケだが。
ミート・ローフ「地獄のロックライダー:Songs By Jim Steinman」
このねぇ、「Songs by」ってのが曲者なワケよ。いや、ミート・ローフの実力がなければこの大成功はなかったんだけど、全てを仕切ったジム・スタインマンの功績がやたらとクローズアップされてくるし、プロデュース業を行ったトッド・ラングレンの実力もあったワケで、いずれにしても幸運と奇跡の一枚みたいな出来事。聴いたことない人いたら聴いてみて欲しいなと思う、割とロック好き万人にウケる普通の、というかドラマティックな楽曲が組み合わさったオペラ形式を取った素晴らしい作品で、熱い。熱っ苦しいくらい熱い。ガタイを見ると余計にそう思うけど、しっかりとピアノやストリングスも入れられた完全にドラマティックな世界をアルバムという長さを感じさせずに聴かせてくれるし、それぞれが非常に聴きやすいメロディーを持っているので聴きやすいしね。英国的なロックオペラとは全然違って、そこはアメリカ的なコミカルで喜劇的っつうかさらりと聴けるところが面白いよな。ユニーク。コーラスひとつ取っても楽しいコーラスワークで荘厳さとかではないんだよ。まぁ、細かいことはいいんだけどさ。
で、このジム・スタインマンって凄く才能のあるソングライターで、ミートローフとのタッグはともかく、これ以降はボニー・タイラーやセリーヌ・ディオンのヒット曲作ってるし、エア・サプライにも提供しているし、映画「ストリート・オブ・ファイヤー」のテーマ曲(あのダイアン・レインが劇中で歌うかっこいい曲ね)や「フットルース」にも楽曲提供していて、裏の実力者でこの人の作品は結構好き。この「地獄のロックライダー」も続編「Bat out of Hell II: Back into Hell」が1993年に同じ布陣でリリースされていて、これも滅茶苦茶売れたみたい。で、今年、もうすぐかな、デズモンド・チャイルドやニッキー・シックスを迎えて「Bat out of Hell III: The Monster Is Loose」を制作したらしくてリリースされたばかり。う~ん、これで一生食っていきますって感じだろうか、楽しみではある。
それと驚くことにこの「地獄のロックライダー」の6曲目でのハジけたお姉ちゃんの歌声なのだが、この後クラッシュのミック・ジョーンズと恋に落ちるエレン・フォーリーがやってるんだよな。ヘンなトコロで繋がってくる英米音楽(笑)。そんなことでこの一大絵巻物語とも呼べる「地獄のロックライダー」シリーズ、まずは最初の一発目をお楽しみあれ♪


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