Magma - Kohntarkosz Anteria

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Magma - Kohntarkosz Anteria (2004)
コンタルコス・アンテリア

 耳が肥えてきたのか、アルバムやら何やらと色々聴くんだけど、スゲェなって思うのが減ってる。そりゃもちろん色々聴いたから自分の好むのとかスゲェなってのは割と聴いてしまっているのはあるだろうけど、それでもまだまだあるだろ、って思うし新作なんかも出てきてるんだから途切れることなんて無いだろうし、もしそうなら自分がロックに興味をなくしているってことかもしれないなんて思うのだ。でも、多分減ってる。もうロックに終焉が見えてきたのか?なんて偉そうなことを思う前にもっとじっくりと本質を聴く、みたいな方向を見つけた方がより一層アルバムを楽しめるのかもしれん。まだまだそういう意味では全然聴いてないし、歌詞の深みだってあるだろうし、と色々思うけやっぱりロックってのは本能だからなぁ…。

 2004年にリリースされたMagmaの作品「Kohntarkosz Anteria」。ぶっ飛んだ。ホントにぶっ飛んだ。2004年だよ、これ。オリジナルメンバーはクリスチャン・ヴァンデだけという事だけど、それは大して問題でもなくてMagmaというバンドそのものの音がここで出てきている、どころか「M.D.K」レベルの作品が出て来るってことがぶっ飛んだ。一体どうなってんだ、このヘンのジジイ達ってのは…って唸らせるものだ。資料を紐解けば1973年頃に完成されていた「Kohntarkosz Anteria」は3回ほどライブで演奏されたことがあったけど、その後の「M.D.K」などの出来映えが良かったってことでそのうち出番がなくなってしまって、そのままきちんとレコーディングすることなくお蔵入り、断片がいくつか録音された程度とのことで音源はライブ盤しか残されていなかったらしい。しかしそれを30年後に持ち込んで再構築しながらまとめ上げた、というのも見事だし、だからと言って神格的な時代のMagmaと同じような演奏が出来るかという命題もあったろうが、ここでは明らかに当時の絶頂期に匹敵する、もしくはそれ以上の演奏とバンドの一体感が構築されていて、それは機材の発展によるまとめ上げ方ではなく、プレイヤーがきちんとぶつかり合って一体感を出しているというスタイルでのバンドのパワーが一体化している強烈なインパクト。相変わらずの楽曲群にクワイヤとMagmaらしい部分を全面に出しながら、さらにぶっ飛ぶ演奏陣営と精神的に高揚する組み立て方と非の打ち所があるはずがない完璧なアルバム。

 Magma聴いたことない人はどんなバンドなんだろ?ってのが不思議だろうと思うし、多分ちょこっと聴いた程度だと全くわかんないと思うし、かと言ってこんな長いのずっと聴くの?って思うかもね。ところがさ、アルバム一枚丸ごと聴いてても全然苦痛じゃないんだよ。クラシックとかオペラとか聞く人ってそうでしょ?それと同じようなもので、ポップ曲で長いとうんざりしてくるの多いけど、Magmaの場合はクラシックとかと同じレベル感だから曲というか演劇がどんどん展開していくようなもので、聴き方が違うからね。言葉で書くと変拍子だとかクワイヤがとかあるけど、聴いてみると変拍子なんて全然気にならないし、クワイヤだって美しい聖歌隊みたいなもんだし、ベースのブリブリは要所要所でのものだし、根本的にマイルドな部分が大きいから大丈夫だと思う。自分的にはそうだな、全部引っ括めて圧巻な音。今回の「Kohntarkosz Anteria」も「M.D.K」もとにかく圧巻。これぞMagmaと言わんばかりの作品がこんな新しい録音で出てきたってのも長生きっていい事あるよなって思う。ホント、凄い。







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フレ
Posted byフレ

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