Black Sabbath - Vol.4



ゴシック系、悪魔的呪術的サウンド、オカルトの教祖みたいな印象を世の中に売りとして知らしめた第一人者と云えばブラック・サバスという答えに誰もが納得するだろう。今聴いてみてもやっぱり不気味な進行の曲ってのが多くを占めていてソレが故に重いと評されるところで、またとっても聴きにくいという側面も出てしまうのだが、それでもこういうのが好きなのはヨーロッパ人。今やお茶の間を騒がせるほどの人気者になったオジーがおどろおどろしいサウンドのボーカリストだったとは…、どれだけ知られているのか(笑)。
ブラック・サバスの代表作は聞く人によってマチマチな答えが返ってくる。多くはファーストから4枚目辺りまでなんだけど、それでもバラバラだよね。まぁ、他にもロニー・ジェイムズ・ディオ時代だったりイアン・ギランやグレン・ヒューズが歌っていた頃とか色々とあるんだが…しかしどれもパープル関連の人脈ばかりっつうのは何なんだろうね?トニー・アイオミがその辺のキーだったんだろうけど、面白いことだ。オジーがパープルに入るとかあったら更に面白かったのにな(笑)。
それはそれとして今回はサバスの中でもとりわけアレンジに凝っている、そしてヨーロッパ的な美しさもふんだんに採り入れた「Black Sabbath, Vol. 4」で書いてみよう。うん、最初から8分強に渡るヘヴィーなギターサウンドで迫ってくるやっぱり重いリフなので、凄く期待させてくれるし、そこからの目まぐるしい曲展開はこの手のバンドとして語られる上ではあまり元祖として云われないけど、メタリカにしてもこういうのってあるわけで、やっぱサバスが元なのかもしれんなぁと思うくらいにプログレッシヴな展開で…、ま、繋ぎが上手いとは思えないけどアレンジ力は見事だなぁと感動する。最後のアイオミのギターソロ…いいねぇ~、こういうサウンドでトリル全開でエグってくるような音っつうのは正しく英国産ロック。うん。次の「Tomorrow's Dream」だってタイトルからは想像できないくらい重いヘヴィーなリフで迫ってくるし、オジーもハイトーンがよく出てるよ。で、意表を突いた美しきヨーロッパ的ピアノバラードの名曲「Changes」なワケで、オジーが歌うのに綺麗な曲だ、って思える傑作。こういうのができるってのはバンドとして充実してるんだろうなぁ。で、プログレッシブな効果音的曲「FX」。やっぱ意味あるんだろう、ここでこういう単なる効果音曲が入るってのは…、やっぱバラードの後の余韻を少しでも損なわないようにするための配慮かな。だからこのアルバムはトータル的に良くできているっていう所以。だって、次が「Supemaut」だけど、パープルらしいっちゃパープルらしいリフ一発で曲を持ってってしまうんだけど、ドラムもワイルドに鳴っていてうるさいだろうなぁ~って感じの曲だね。それでいてオジーもハイトーンが空間を舞っているし…。ギーザーのベースもこのアルバムにかなり貢献しているのは聴いてればわかるよな。
で、またパンチのあるサバスらしいリフとアルペジオを織り交ぜた「Snowblind」…、B面もしっかりと英国産ロックしてて好みだね。結構好きなのが次の「Cornucopia」。なんかヘンなリフで、またおどろおどろしいサウンドと気持ち悪いオープニングが良いんだな(笑)。曲自体もかなりヘンでなかなかの展開を見せてくれるのだ。そっからアコースティックギターの粗暴なサウンドを打ち出した「Laguna Sunrise」へ進むのだが、こんなにラフな音で録音されるアコースティックの曲も多くないよな…。アコギなのにパンチがある(笑)。トニー・アイオミさんって多分ピッキング強いんだろうな。いやこれは指弾きだと思うけどさ。で…「St.Vitus Dance」か…、ホントに多彩な人達で面白い曲ばっかり入ってるアルバムだ…。トニーさん得意のリフ展開でどったんばったんの曲構成はお手の物、これもサバスらしい一曲♪ で、最後はやっぱり暗くて重いリフで締めるという実に良くできたアルバムで一回通して聴くとかなり疲れるものなんだけど、何回も聴けるのはアレンジや音作りがしっかりしてるからだろうな。
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