Adam Lambert - The Original High

Queenってのはロックファンからしたらロックなんだけど一般からしたらポップスの領域にいるヘンなバンドだったんだろうと思う。特に売れた後期はポップスの象徴でもあるかのようなソウル系な曲が並ぶワケだからヒットチャートの中で特に異質さを放っていたものでもなく…、いやヘンだったけどさ、チャートにいてもおかしくないサウンドだったもん。だから最初は興味も持てなかった、ってかヘンなバンドという印象だったんだな。改めて思ったのは何となくの流れでQuee+Adam Lambertのライブ映像を見てたんで、Adam Lambertって普段の自分の作品だとポップスだよな?それでもQueen歌うとこうなるワケ?ってのがあったんでね。
そのAdam Lambertの2015年作品「The Original High」はQueen参加ツアーの後に録音されているであろう作品で、音楽的にQueenの影響があるかと言われるとそれが全く無い。当然と言えば当然で、彼自身は音楽を創造しているワケではないからだろう。それでも好みとかあろうものだと思うが、そういうのも特にあるような感じがしない。プロデュース側が作りたいもの、今の音に加えてもちろんアダム・ランバートの持っているであろう魅力を引き出すかのようにした曲を揃えて作られているとは思うけど、やっぱりポップシーンの音なんだよね。でも、Queenとのセッションでは素晴らしい歌声を披露してくれて正にフレディ・マーキュリーの生まれ変わりであるかのようなボーカルスタイルを聴かせてくれるのだ。それもまたアダム・ランバートの持つ音楽性ってのが固定されていないからだろう。やはり純粋なボーカリスト、なのだ。
…ってな事で聞きながら書いてるけどさ、歌はやっぱり凄いよね。声出てるし説得力もある。ちょいと高温域に偏りすぎてるのが気にはなるが、それよりもやっぱり残念なのはこのバックの音作り。売れ線なのかもしれんが、興味も持てないし、どちらかと言うと拒絶する傾向の音なのでQueenから流れてくるであろうリスナーはここでオシマイって事だ。元々のリスナーがQueenを知ることはあってもQueenのリスナーがアダム・ランバートのソロ作を気に入ることはなかろうよ。やはり売り手側が元々のアダム・ランバート路線できちんと売りたいってのが本音だろう。そうじゃなきゃアダム・ランバートの未来もないもんな…、判ってるけどさ、ちょっと残念。
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