Ronnie Lane’s Slim Chance - Ronnie Lane's Slim Chance

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Ronnie Lane’s Slim Chance - Ronnie Lane's Slim Chance (1974)
Ronnie Lane's Slim Chance [12 inch Analog]

 フォークってもさ、トラッド系に根差したモノとやっぱりアメリカンフォークを目指したモノってあって、融合させることで成功したフェアポート・コンヴェンションなんてのもあるけど、系譜としてはどっちかだよな。そもそもが英国人だからやっぱりどうやったってアメリカンフォークのああいうのは出て来なくて、カントリーだスワンプだと言ってみてもやっぱり根っこの気候の違いから来る湿っぽさってのが妙な具合に心地良くて味になったりしている。思い切り向こう側まで行っちゃった人ってそう多くはないもんな。フォークの世界もロックほどじゃないにしてもかなり幅広い図式はあるというのも認識しておきたいね。

 ロニー・レインが1974年にリリースしたセカンド・アルバム「Ronnie Lane's Slim Chance」。Small FacesからFacesのベースを担いつつもかなり個性的なソングライターでもあったし、シンガーとしても味のある歌声を聴かせてくれていた地味ながらも憎めない愛すべき人柄、だからこそA.R.M.Sコンサートでもあれだけの人間が集まりロックの歴史的イベントが開かれたワケだ。その人柄ってのと曲調なんかが見事にマッチした作品なんじゃないかなぁ…、もちろんロニー・レインが当時やりたかったスワンプやアメリカへの傾倒と土着的な世界観、それでいて様々な音色を融合させて歌い上げる…と言うか歌いつぶやく、か。そんな曲がたくさん詰め込まれた名作。こういうアルバムってのはなかなか作ろうと思って作れるモンじゃないんだよ。そもそも普通にロックだぜとか思ってたら出来ない音だしさ、セカンドプレイヤーだったからこそこういうポジションで出来た音なんじゃないだろうか。

 秋という季節に聴くとグッと身に染みる人だし、味わい深くなる…それは年齢もあるのかな、昔はすごくつまんないアルバムだと思ってたもん。それが年を経る毎にこういうのがわかってくるようになる…どころか、こういうのばかり聴いていたくなるよなという感じでね、かと言って他にこういうのを奏でる人がいるようでいない。これもまた地味に凄いところ。いいなぁ〜。









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フレ
Posted byフレ

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