motorhead - Bad Magic

0 Comments
motorhead - Bad Magic (2015)
Bad Magic

 ロックを仕事にしている人はホントに人間がロックじゃなきゃ出来ないだろう。そうじゃなきゃ音楽家としてキャリアを作ってミュージシャンやアーティストになればいい。何を言ってるかわかんない言葉の使い方だけど、近年つくづく思うのがそういう事なんだよな。歳とともに頑固な部分が出てきてさ、ロックとミュージシャンってのは別なんだよ、みたいに区分けして考える。別に音楽ってのやってる側だから一緒だけど、やっぱり聴いてる側の響き方が違ってて、自分は圧倒的にロックというのが好きらしい。面白い話があって…って書いてるとまた長々ってなっちゃうんで次回にしとこうか。まぁ、何だ、人間がロックだ、ってのはこの人、レミーを見てればわかるでしょ。これぞロックだ。自分的にはそんなに好きだっていう部類の人でもないけど、誰が見てもこういうのがロックなんだよ。チャラい服着てロックだ〜ってったって無駄だよ。

 モーターヘッドの新作「Bad Magic」だ。22作目らしいがそんなことは多分どうでも良くて、その時、気になった時に手に入るアルバムを手に入れて聴けば良い。常にそういう環境にあるのが今のモーターヘッドだ。そして驚くことに今は北欧方面でカリスマ的人気を博していて、それどころかチャートでもきちんと入ってくるセールス面でも一級品になっている。30年以上やってても未だに世界の何処かでトップラインにいるというのは凄い。しかもこの音でだ。この音、ってのはさ、まぁ、聴いてみろよ、これ、レミー69歳の叫び声とR&Rだぜ。R&Rってのかどうか…メタルじゃないし、疾走するロック、ハードロックじゃ軟弱すぎる、やっぱりロック、モーターヘッドだ。フォロワーもたくさんいるけど69歳にしてこの音、そしてこのドスの利いた歌声にハードな楽曲、何なんだこの人達は…って普通は思う。いいか、周囲にいる70歳くらいの老人を見てみろ、同じ年令重ねてる人がコレだ。ジジイ侮るなかれ…。

 そしてまた曲がこれまで以上にハードに攻撃的にドライブしてくるのが凄い。執念とか怨念とか意気込みとかもう命賭けてるって事がビシビシと響いてくるもんね。生半可に聴いてちゃイカンだろ、ってくらいにビシビシと刺さってくる。そして最後の最後にはストーンズの「悪魔を憐れむ歌」だよ。いや〜、どんなカバーに仕上がってるんだろ?って楽しみにしてたので、この出来映えには驚いたし、さすが…と唸らされたし、それでいてモーターヘッド節、間違いなくレミー節で圧巻の出来映え。更に凄いのは原曲を忠実になぞっている所で、何も壊していないというあたりだ。全く恐ろしい男の率いるバンドで、今のレミーはすでに糖尿病を抱え、杖なしでは歩けない状態であるが故、ステージで立ちっぱなしで歌い、微動だにしない仁王のようなスタイルでどっしりとプレイしているらしい。まったくどこまでもやる男だ…。そんなことを微塵も感じさせないこのアルバムの迫力は当分どのバンドからも聴けない鬼気迫る世界。







関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply