Mott - Shouting & Pointing

フロントマンが抜けたバンドが存続していくためには?ってな命題に果敢に取り組んできたのも歴史的には当然多数あるし、自分が知ってるのでも幾つかある。一人の単なるルリスナーとしては全然魅力を感じないケースが大半だけど、歌が替わったから良くなったってのもあるんで、一概には言えないけど、どっちかっつうとバンド全体が下降ムードにあるか上昇ムードにあるか、またそのテンションが維持できるかどうかって事で随分と変わるものなんじゃないかと。もちろん時代の流れと流行の音みたいなのもあるからテンション上がってても空回りしてるってケースもあるだろう。そんな中の代表的なバンドとしてのMott。Mott The HoopleじゃなくてMottです。
Mottとしての二枚目の作品となった「Shouting & Pointing」は1976年にリリースされているが、ご存知看板フロント二人を欠いたまま、商業的な事も考えてのMottというバンド名による作品。モーガン・フィッシャーが気を吐いたバンドになっているのだが、それもゆくゆくはBritish Lionsへと繋がることになるが、ここでのMottはその実かなりごきげんなR&Rを奏でるバンドとしてアルバム「Mott」以降の輝かしいR&Rバンドの音をそのまま継続しているし、案外ナイジェル・ベンジャミンのごきげんなR&RボーカルはMottに合っているのか、悪くない作品に仕上がってる。もちろん当時は既に終わったバンドとして見向きもされなかっただろうし、時代が流れても再評価されるってことはほぼ無かったのだが、それでもアナログ時代には逆に手に入れにくかったこれらのアルバムがCDで再発されたって事からすれば多少なりとも歴史的価値を見出してくれているのだろう。それ以上に中身はゴキゲンなのでもうちょいと評価されてもいいかもね。
初っ端から快活に飛ばしてくれるんでアルバムジャケットに見られるようにハチャメチャぶりそのまま、正に黄金期のMott the Hoopleと近しい音だし、多分この頃の方がバンドとしてはまとまっているんじゃないだろうか。ただ問題はそのどれもがゴキゲンなので途中で飽きてきちゃうという事か。深みの味わいがある曲ってのが無いのがこのメンツでの課題で、そこら辺を上手く出せてたのがイアン・ハンターなのだろう。ただただR&Rが出来るだけでは満足してくれないというリスナーもワガママではあるが…。そんなのもあってかバンドはボーカルを更に替えて、バンド名も替えてBritish Lionsへと駆けたが…。
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