Druid - Toward The Sun
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70年代の英国にはB級ロックというものが多数存在している。何が売れるかわからなかった70年代のロック産業というのもあって、多数のレコード会社が何でもかんでもとにかくレコードを出させて様子を見るという試みが中心だったがもちろん中には意欲的にマイナーなバンドを世に出していったレーベルもある。そんなわけで70年代初期には実に興味深いバンドのレコードが多々残されていてマニアを楽しませてくれるワケだが、中には単なるフォロワーじゃねぇかっつうバンドもあって、それはそれでまた面白いものなのだ。
Druid - Toward The Sun
一般的にイエス的なバンド…っつうかイエスそのままのB級ってことで語られることが多いんだよな。まぁ、否定はしないけどそう言われると聴きたくなくなるので、前評なしに買って聴いていたことはよかった。歌がジョン・アンダーソンに似た性質の声で迫ってくるのでイエス的と言われるし、曲の構成やコーラスの作り方なんてのももちろんイエスを意識したものになっているのか、本人達の才能なのかわからないけど、1970年結成、1975年にようやくアルバムリリースに至ったバンドっつうことを考えてみるとやっぱイエス的なサウンドで二番煎じのポジション確保のために出されてきたっつうトコかな。それとも元々こういう音楽やってたけどイエスが同じようなことやってたおかげで5年間メジャーになれなかったとか(笑)。まぁ、やったもん勝ちだからその辺はわからんが…。
いや、でもね、音的には悪くないのだ。B級だし、妙に凝りまくってるところもなかなかよく出来ていて、それなりにシンフォニックに起承転結があるので、美しいしね。メロトロンのおかげっつうのも大きい。そして、ギターは普通レベルなんだが、線が細くて一生懸命メロディを紡ぎ上げている音で、妙に耳に引っ掛かるんだよ。もうちょっと激しさがあったら面白かったんだけど、アルバムとしては実によく作り込まれている。別に毎日聴きたいアルバムにはならないけど、たまにプログレッシブな気分の時に取り出して聴いてみる分には快適な作品。
ジャケットが好きなんだよ。大英博物館に飾ってある絵をモチーフにしているらしいんだけど、色合いとかワケの分からない象徴っていうのが雰囲気出てて良い。アナログ時代には全く見かけることがなくて、初めてCD化された時にとっとと買った作品。まぁ、そうやっていなくなってしまったバンドのひとつだが、だからこそ面白さがある♪
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