Atoll - Musiciens Magiciens



フランスの誇るプログレッシブバンドのひとつが破壊的且つ変態的なマグマであるならば、双璧を成すもう一つのバンドがアトールと云える。一般的にはフランスのイエスと形容されることが多くて、だから故にあまり聴こうと云う気がしなかったバンドなのでそういうキャッチコピーの善し悪しってのは凄く重要だよな、と思う。だから実際自分で聴いてみるまではあまり形容詞ってのは信用しない方が良いんだよな。それで聴くの遅れたんだもん。もったいない…。
「ミュージシャンズ・マジシャン」
1974年にリリースされた彼等のファーストアルバムだが、ファーストでこのクォリティの高さってもの凄いモノがある。おかげでこの後にリリースされたもう一つの有名なアルバム「組曲「夢魔」」とこのファーストアルバム「ミュージシャンズ・マジシャン」だけでアトールが語られてしまうことが多く、もちろん自分もそのクチなので偉そうに語れないんだけど、ホント、これは凄い完成度。そして大きな声で言っておかないといけないのが、フランスのイエスという形容詞はよろしくない。キャッチコピー的に言いたいことはわかるんだが…、いや、シンフォニックな演奏と美しいコーラスにハイトーンの歌声と優れた演奏テクニック…、確かにそうやって書くとイエス的なんだけど、聴いてみるとね、全然そういうイメージじゃなくって、もっと普通にプログレ的に聴けるロックバンドで…、あぁ、俺イエスのダメなところがよくわかっちゃった、みたいな感じで、このバンドは全然かっこいいって思えるもん。キメやら変拍子やらバイオリンの音色やら心地良くってさ、頑張って曲作ってるなぁ~っていう凄さと完全にそれをモノにしている気持ち良さ。プログレいいなぁって思う人は多分好き。
ホントはクリムゾン的破壊力というシリーズに準えて「組曲「夢魔」」を取り上げたかったんだけど、CDが見つからなかったのでファーストで我慢♪ ジャケットはこっちの方が好きなので、まぁ、いいでしょ(笑)。フランス語によるプログレッシブロックはなかなか響きとしても面白いし、サウンド的にも息詰まるものとフランス語の特性というのか息が抜ける発音っつうのも笑えてよろしい。美しいのは確かだが、涙涙の叙情さってのはイタリアには負ける(笑)。シンフォニックさなら断然こっちだが…、その中にも粗野なロック的ナンバーもあったりするので面白い。ベースサウンドがなかなか聴きモノよ♪
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