カルメン・マキ&OZ - III

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カルメン・マキ&OZ - III (1976)
III

 ちょっと前から何やらごく一部では話題になってた事柄から最近聴いてないな~って思って引っ張り出してきた。何せ好きなもんで大抵のアルバムはあるんで…。昔はブログなんか見てて、あの伝説の人がこんな風に思ってるのか、とかそんな風に影響されて生きてるのかとかいちいちへぇ~ほぉ~、ふ~ん感があった。言葉に力があったからかな…、今思えばそれは手書きだったからというのは大きかったかも。誰が書いても無機質な活字紛いのフォントで書かれる文章は文章そのものの個性によるレベルの平均化ではあるけど、文字に込められた想いや勢い、気負い、悲しみなどの感情を表現することはできない。顔文字や絵文字ってんでもないし。そこは自筆ってのがやっぱり大きな意味合いを持つし、書道の世界になっちゃうのかもしれないけど、利便性と引き換えに失われていく、誰しもが見せていた個性の表現手段だったハズ。

 カルメン・マキ&OZの3枚目のスタジオ・アルバム「III」。マキOZ聴いてて…リアルタイムじゃないけどファースト「カルメン・マキ&OZ」から順番に聴いてって、この「III」を飛ばしてライヴを聴いて、そこからこの「III」を聴いたんだけど、思い切り70年代ハードロックの風味を出していたそれらのアルバムからしてこの「III」は驚愕するまでにポップで軽く短めの曲しか収められていなくてビックリ。更に音を聴き始めて更にこの軽さに驚いたものだ。だからやっぱりあんまり聴き込んでないアルバムではあるんだけど、だから故、割と何回も聴いた。うん、この作品が異質なのは確かだけどそれでもマキOZなんだし、ライブではこれが化けてるし、やっぱスタジオ盤もいいんだろうよ、ってことで理解したくて聴いた。するとね、やっぱりレコーディングされている音がポップなだけで歌にしてもバンドにしてもやっぱりあのままなんだな。歪んだギターでグワ~ん!ってのは少ないけど、もういつまでもそういんじゃない、ってのもあったのかな。妙なバランスで成り立っているような作品。

 でもさ、歌の重さとか聴かせ具合とか…初期とはやっぱり違う。神がかったような、取り憑かれたような歌の表現ではなくなってるから…、何か吹っ切れたのかな…、何か抜けた時期なのかもしれない。まぁ、それでも歌そのものを聴いてれば全然変わってないかと言う気もするが(笑)。しかし聴きやすいな、こういうのは。自分の聴いてるロックと同じ雰囲気での音世界だからか普通に馴染んで聞けるからありがたい。って言いつつも、アルバム聴いてると普通にいつものマキOZじゃねえかってなるのでご安心を。最初にいくつかだけポップ的だけどアルバムとしちゃ全然今までどおりの路線だからね。





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フレ
Posted byフレ

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