Talking Heads - Remain In Light



時代はパンクムーヴメントも去りゆく中、新たな波=ニューウェイヴが台頭してきた頃、ボウイとのコラボレーションに一区切り付けた変人ブライアン・イーノはプロデュース業に精を出しており、何をしても良い時代が到来するや否や新たなる領域へ手を付け始めた。それがトーキング・ヘッズのプロデュースとなるワケだ。
…とは言えどもバンドの方もパンク全盛時代に出てきたものはいいけれど、全くうだつの上がらない状態でアルバムを数枚リリースしていたが、そんな状態のバンドに守護天使のように(…かどうかは知らないが、もしかしたら凄い邪魔者だったかもしれないけれど)現れたイーノは彼等のサウンドと姿勢を気に入り、アルバムのプロデュースを買って出たようだ。それがトーキング・ヘッズ史上最も有名なアルバム「Remain in Light」だ。そうだね、大体のロック本には名作アルバムとして書かれているし、トーキング・ヘッズの最高傑作とも言われている。
うん、まぁ、そうだろうなぁ。でもさ、コレ、イーノのプロデュース…、ま、そこはバンドの才能を引っ張り上げたっつうトコでさすがなものなんだけど、そこにさ、エイドリアン・ブリューを入れてしまうところがミソ。おかげでバンドがもの凄いことになってしまったのだ(笑)。全体的にはイーノがやりたかったことなのかな…、呪術的とも言えるアフロリズムにデジタルチックなビートっつうかサウンド。で、ブリューのギター…効果音ギター…、そしてデヴィード・バーンが曲とは無関係に書き溜めていたメロディをぶち込んだとんでもなくパンク…と言うのかニューウエイヴというのか、滅茶苦茶実験的な作品なわけで、背景と歴史的には名盤として語られるべきだが、普通に聴いていた時には全く興味のもてないバンドで拒絶反応だったね。ま、今でも好きじゃないけど、やってるコトってのはイーノという人が見えてくると納得できるものなので、まぁ、アリかな、とは思う。う~ん、まだまだまともに聴くには時間かかるかな。ブリューっつうのもねぇ、あまり好みではないギタリストなのだが、凄い才能はある人だし、やっぱりとんでもないギタリスト。この後ブリューってさ、ソロアルバムとかクリムゾンとかで歌うんだけどデヴィッド・バーンなんだよな…、この頃の影響はもの凄いんだろうな。
…ってなことで、あまりにも若かりし頃に聴いたが故に全く理解できずに十数年以上経ってしまったこの作品にこんな形で再会するのも何だが(笑)、80年代以降の英国ロック界に与えた影響はとてつもなく大きいことは事実。


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