Fripp & Eno - No Pussyfooting
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キング・クリムゾンの要であるロバート・フリップ卿はその人の独特な性格と独自の楽曲センスによりクリムゾンというバンドをひとつの表現方法として使っているようだが、一方では個人の特徴的なギターを生かすためかかなり様々なセッションに参加していたりする。その発端となった作品とも云えるのがロキシー・ミュージックを脱退したばかりのブライアン・イーノとのコラボレーションアルバムだ。
アルバムリリースは1973年なので丁度クリムゾンが「太陽と戦慄」を炸裂させていく時期に発表されたみたいだね。しかしフリップ卿も72年までは今は亡きボズ・バレル達と共に組んでいたクリムゾンでのツアーを行っていて、73年の秋には「太陽と戦慄」がリリースされるので、このコラボレーションはごく短期間で制作されたものだと推測できる。故に多分イーノがソロアルバム的にアンビエントな方向を打ち出した作品を制作していた中にフリップが合流したような感じなんじゃないかな、と♪
で、その作品「No Pussyfooting」だがまずジャケットが良い。音の方は滅茶苦茶アンビエントな音で、どうしてこういうのがロックのカテゴリーに括られるのかよくわからないんだけど、ロックなんだな(笑)。で、その音の中身をしっかりとこのジャケットで表しているみたいでね。透明感があって果てしなく続く二人の想い…みたいな。BGM的に聴くのもよいし、マジメにじっくり聴くのも面白くて、マイク・オールドフィールドの「チューブラー・ベルズ」みたいなミニマルミュージッックとはまた異なった効果的に緊張感を煽るサウンドは当時としては圧倒的に際立っていた、はず。当時を知らないからどれだけの興味を持って迎え入れられたのかわかんないんだよね。滅茶苦茶マイナーな扱いだったのかもしれないけど…、でも今でもしっかりとこんなサウンドでもロックの名盤として残されているんだから、それなりだったんだろうと解釈してる。
1973年74年のキング・クリムゾンのライブの幕開けには「No Pussyfooting」というインストが流されていて、まあ、実態はこのアルバムからの抜粋なんだけど、それって宣伝も兼ねてたのかな。ある意味クリムゾンのフリップ卿をイメージする音楽とは全く違うイーノの世界で、それでも違和感がないっつうのが面白い。音楽家なんだろうね、二人とも。
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