David Sylvian & Robert Fripp - The First Day



ひとつのバンドが解体するとまた新しいバンドやソロアーティストが誕生する。中にはとんでもない面々がタイミングの運命によってひとつのバンドを結成することもあり、時にスーパーバンドとして迎えられることもあるが往々にして長続きはしないし、また成功もあまりしないということが多い。そうしていくと多くはソロアーティストとしてポツポツとアルバムをリリースしていき、往々にしてバンド解体後はバンド時代の曲をあまりプレイしないで、ソロキャリアを築き上げようとする。ここでファンの求めるものとのギャップが生じることとなり、大体がソロキャリアっつうのはセカンド辺りまでで終わってしまうケースが多いのだ。
デヴィッド・シルヴィアンの場合もそれほど例に漏れるものでもなく、そういった傾向がファン側的にはあったのだと思う。もちろんソロキャリア時代の音をまともに聴いたことはないのでジャパンの音楽性とどういう風に変化していったのか、よく知らないので多くは語れません~。で、何故ここで登場か?うん、ヨーロッパの耽美的サウンドを醸し出していたデヴィッド・シルヴィアンと70年代プログレッシヴロックを代表するキング・クリムゾンのロバート・フリップ卿とがユニットでリリースしたアルバムが実はかなりの傑作だと言うことを書いておきたかったから。
もちろん80年代のミニマルビートクリムゾンを経た後、90年代に入ってからクリムゾン再結成がまことしやかにウワサされてきた頃、ボーカルにはこのデヴィッド・シルヴィアンを迎え入れるというウワサも立ったのだが、決してそうはならず二人のユニットという形で世にリリースされたのが唯一のスタジオアルバム「The First Day」だ。紐解いてみるとデヴィッド・シルヴィアンのソロ作三枚目となる、そして一番売れたんじゃないかと思う(自分もこのアルバムのこと知ってるくらいだから)1986年の「Gone to Earth」にもフリップ卿は参加しているので、同じヴァージンレコード繋がりなんだろうけど、この時点で既に種は蒔かれていたのだ。
で、その「The First Day」、いや、曲を聴いていくとどっちが主体となって作った曲かというのはわかってしまうのだが、見事にユニットとして機能していて、どちらも上手い具合に絡み合っている。総じてこの後復帰したクリムゾンの雰囲気を多分に持っているのは当然の結果だろう。しかし、デヴィッド・シルヴィアンの決してボーカリストらしくない歌が流れてくるとしっかりと存在感を主張してくれるのは面白いな。きっと歌詞にもかなり気を配っているんだと思う。
このユニット、何と来日公演ライブやってるんだよね。で、そのツアーでのライブ盤「Damage」までリリースされているので、この超短期で終わったプロジェクトの全貌はしっかりと形に残されて聴けるのは嬉しい。こうした機会でも無けりゃこのアルバムをまた聴くなんてことも無かっただろうからな…。良かった良かった。そしてやっぱりフリップ卿のギターは独自の世界観を持っていることを再確認♪


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