Peter Frampton - Wind of Change

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Peter Frampton - Wind of Change (1972)
ウインド・オブ・チェンジ

 アンディ・ボウンという方はThe HerdからStatus Quoに参加したりして結構な実力派であるのは知られていたのだろうが、一方でピーター・フランプトンの盟友としてThe Herd離脱後も仕事を共にしていることも多く、人格者でもあったのだろう。ピーター・フランプトンっつうとハンブル・パイの活躍から脱退、ソロ作「Frampton Comes Alive」での大ヒットでスーパースターの仲間入り、みたいな構図が後追いの立場からすると一般的で、そりゃ、どうもな〜くらいにしか思ってなかったのだが、ちょっと深く入ってみれば決してそんなイージーなスーパースターではなく、きちんと積み重ねられたアルバムがあってこその「Frampton Comes Alive」な事を知るのだった。個人的にはその合間の作品郡の方が好ましいですね。

 1972年のハンブル・パイ離脱後最初のソロアルバム「Wind of Change」。一言で言えばとっても地味なアルバムで素朴な、と言っても良いくらいにロック色は薄くて歌モノにも仕上がっている作品。ただ、このメロディセンスってのはやっぱりずっと残ってくるものなんだ、ってのはハンブル・パイ時代からも変わらない。アコギ中心のナンバーでは馴染まる冒頭はかなり素朴で引き込まれるアーティスティックな世界観でどこか甘い感じのムードを醸し出す作品群で実に深みを味わえる。そしてストーンズの「Jampin’ Jack Flash」のカバーだが、それですらロック調ではなく得意のリズムパターンによるテンポダウンのゴージャス版。アルバムの他の作品群と違和感のないようなアレンジに仕上がっててここからはロック調の曲も出すぜって感じの繋ぎには調度良いか。

 ロック調の曲ももちろんお得意のナンバーでそりゃ簡単にできるだろうよ、ってくらいに様になってる。この二面性をひとつのアルバムに入れてソロアルバム最初の作品にするってのからするとハンブル・パイでの音楽性の違いってのはあまりにも黒い方向に進もうとする部分とアコースティックな作風も入れていくべきだ、みたいな二人のエゴのぶつかり合いだったのだろうことは容易に想像が付く。結果どちらも良い選択だったという事になるのだが。しかし幅の広いアルバムだ。器用な人だったんだな…。







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フレ
Posted byフレ

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