Japan - Tin Drum
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坂本龍一とコラボレーションした英国アーティストは数多くいるようだが、結構古くから今に至るまで長々と友情を保ちながら作品も出しているのは


…てなことでYMO→坂本龍一→デヴィッド・シルヴィアン→ジャパンという系譜がなんとなく繋がっていくのであった。YMOとジャパンを切り取ると、音楽的にはそんなに共通項があるようには思えないのだが坂本龍一の作品とデヴィッド・シルヴィアンの作品となるとえらく共通項があるのは不思議なところ。
そう、超美形のデヴィッド・シルヴィアン率いる英国のバンドながらもジャパンという名を付けた日本人的には結構嬉しいバンドで、英国では全く売れなかった初期に彼等を熱狂的に待ち受けていたのはもちろん我が国の女性陣。まぁ、化粧した美形に弱いのは今に始まったことではないが、常に日本の女性が待ち受ける程の人気を誇るバンドは世界的に成功する例が多いので侮れない。ジャパンも初来日からいきなり武道館満員での公演ってことで本人達もそんなに大きなトコロで演奏したことないってくらいだと云っていたらしいので、日本での極端な人気ぶりが伺える。
そんな初期の作品は確かにちょっとファンク的要素も含まれているけどなんか暗い、みたいな感じで英国でもウケなかった。まぁ、中途半端にバンドやってるって感じだったんだね。今聴けばそれなりに面白いけど。ま、それはともかく、個人的にはやっぱり三枚目「Quiet Life」以降かな。中でも最高に暗い…っつうかヨーロッパ的な耽美さを前面に出しながら東洋チックな雰囲気を織り交ぜた「ブリキの太鼓」がやっぱりそれらしくて良い。四枚目とどっこいどっこいの出来だと思うが、そっちはまた今度にしよう。
ジャケットはちょっとなぁ、という気がするけどデヴィッド・シルヴィアンの美しさは相変わらず。まぁ、それはヨシとして中身だが…、やっぱり暗いのだ。いや、リズムとかベースライン、特にベースラインはものすごく面白いので聴いてみるとそういう楽しみ方はできるのだが、アルバム全体を覆い尽くす雰囲気は80年代のニューウェイヴのそれと同じく落ち着いたデカダンな雰囲気がたっぷりと出ている。そこにアジアンチックな旋律なのだから摩訶不思議なサウンドに仕上がるハズだ。シングル「

あぁ、言い方変えるとものすごく「オシャレなサウンド」に仕上がっているんだよね。大人の音。自分的には絶対できないし好んで聴く音でもないけど、でもこういう音って惹かれるものがあるな。多分その音の奥に秘められている人間性が惹き付けるんだと思うし、こういう表現もあるんだ…みたいな。そして80年代のダークなニューウェーヴサウンドに繋がっていくのだ…。
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