Mainhorse - Mainhorse

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Mainhorse - Mainhorse (1970)
Mainhorse (Reis)

 70年代のロックを語る時って必ず鍵盤ってのは出てくる話で、それもギターと同レベルの語り方をされるのが楽しくてね、もちろんメロディと様々な音が奏でられる楽器なんだから派手にスポットが当たってもおかしくないのはわかる。ただ、いつも思うのは鍵盤ってのはライブステージ上じゃ、どうしようもないって事で、ステージングを見てカッコよさを感じるキッズからしたら鍵盤を手に動いてる姿は大変痛ましいし、かと言ってデカい鍵盤セットに囲まれている中で凄いプレイされてもステージング的には全然映えないから何とも思わないしと言う風に見てたんです。結果自分的にはやっぱり華形のギターが好きになるんですが…。

 1970年リリースの唯一作となったMainhorseなるバンドの「Mainhorse」。パトリック・モラツが参加している作品なのでココに登場なんですが、時代に即したバンドだったのかパトリック・モラツの優美なスタイルとはやや離れた、もっと70年代英国ゴッタ煮ロックの中でも尤も人気の高かったであろうアシッドでハードロックでサイケでグチャグチャなハードロックスタイルの中での鍵盤、やっぱりハモンドだよな、ってな音を冒頭からカマしてくれまして、ともすればグチャグチャにしか聞こえない世界をしっかりとハードロックに位置させているかのような鍵盤技が聴けます。いや、最初はこれがパトリック・モラツなんだ?こういう人だったのか?なんて思ってちょっと驚いたね。最初の曲だけで判断しちゃいけないけどインパクトはそんな感じだった。アルバム通して聴いているともちろん最初のインパクトだけでなくてきちんと聴かせる面とかネられた曲なんかも聴けるんでやっぱりさすがだと唸るんで大丈夫です。

 しかしいつもの事ながらこういうバンドはホントに山のように出て来ている時期で、どれ聴いても強烈な個性でありながらも全く無個性の存在になってしまうんだから難しい。Mainhorseに至ってもブルージーで泣かせるギターやイモくさすぎるけどそれなりなボーカルもいて、鍵盤が全体を牽引するスタイルにすらなってるのになぁ…、ダサくて好きです。でも、あまりにも突出した部分が無さすぎて普通にカッコ良いハードロックバンドの域を出ない、ちょっとヘヴィロック風でもあるが。



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フレ
Posted byフレ

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kazz_asai  
才気煥発

私も以前、パトリック・モラーツは「Relayer」「I」でしか知らなかったため、CD時代になってからこれを聴き、その意外な側面に一驚を喫したものです。
この暴れ狂うハモンドとスリリングなG &Drは、私の求める70年代HRの理想に近いものでした。
後のRefugeeのように完成された音ではないのでしょうが、若き日の鬼才のほとばしる英気に拍手を送りたいと思います。

2014/10/13 (Mon) 20:20 | EDIT | REPLY |   
.フレ  
>kazz_asaiさん

自分もそうですね…、これ聴いて「え?」でしたもん(笑)。

2014/10/18 (Sat) 20:51 | EDIT | REPLY |   

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