The Allman Brothers Band - Live At The Fillmore East



やはり本場アメリカ南部の音は違った。時代は1970年、クラプトンの望郷の彼方を手伝った男、デュアン・オールマンの属する、と言うよりも彼のバンドだったオールマン・ブラザーズ・バンドに脚光が当たったのはやはり英国のブルースギタリスト、エリック・クラプトンとの共演によるところが大きいだろう。サンフランシスコでのムーヴメントは終焉を告げ、敬愛するマイク・ブルームフィールドなども放浪の旅に出た頃に南部の土臭い香りを引っ提げて思いっ切りブルース以外の何物でもないサウンド、しかしそれはサザンロックと後に命名されるひとつの垢抜けたアメリカならではのサウンドが世界を制する時代がやってきたのだ。
若かりし頃にブルースにハマって、それから流れでサザンロック系統に進んだんだけど今はあんまり聴いてないので、実に久々にサザンロック系のサウンドに手を出しているんだけど、えらくかっこよくって聴きやすい。いわゆる白人ブルースのサウンドとも違っててなんか洗練されているんだよね。しかもその中でも最高の名盤「Live At Filmore East」なワケで、このアルバムから更に深みにハマっていこうともこれ以上のものに出会えることはあまりないだろう、ってなもんだ。それほどに最高の瞬間が押さえられている名盤だね。昔は9曲入りの二枚組で、あちこちのアルバムにバラバラで破片が収録されてたりしたんだけど、今はデラックス・エディションのCDで一応ライブの流れ通りに編集されて聴けるみたい。…とは云え、やっぱ二枚組アルバムを聴いていたのでなかなか曲順に馴染みがなくってやはり二つとも聞き分けるのかなぁと、そんな感じだが…。
いや、ほんとこのライブアルバムは凄い。初っ端からロック以外の何物でもなくって更にそれがビシビシと刺さるように響き渡ってくる。もう圧倒的にデュアン・オールマンの才能が張り巡らされているくらいに輝いていて、プレイヤー志向の人が聴くと相当まいっちゃうアルバム。でも決して走りすぎてなくって、ゆったりと進んでいるっていうサザンロックと呼ばれる所以でもあるレイドバック風のね、でも熱い演奏。1971年の2月のライブっていうから、しかもフィルモアだからなぁ、狭くて熱気ムンムンの名所でバンドもノリに乗ってる時期のライブ。リリースはバンド側の強引な思い込みで重役連中はシブシブリリースしたって云うから、相当の自信…だっただろうなぁ、こんだけの演奏してれば。これをリリースしないことを考えたレコード会社ってのも問題だよ(笑)。
この後「Eat A Peach」制作中にバイク事故での早すぎる死もまたオールマンの歴史だろう。どうしてもサザンロックには悲劇がつきまとっているようだ…。このアルバムも素晴らしいんだけどね。ちょっと前の時期のライブ盤「Live At American university 1970」ってのも同じ布陣でリリースされているのでこちらのライブも興味あるなぁ。
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