名作としてよく挙げられるのは先日レガシーエディションがリリースされたばかりの「パール」だが、もちろんこのレガシーエディションはファンでなくても聴く価値がある、というか聴かないとダメだろ、ってくらいのインパクトがある最高傑作。もう何十回、いや3桁回聴いてるかもしれないなぁ。このレガシー盤をヘッドフォンで大音量で聴くとジャニスの息づかいから酒の匂いまで感じられるくらい生々しいので、部屋を暗くしてバーボン片手に聴いてみるのもいいなぁ。やった事ないけど。とは云いながらも今回はその名盤を改めて語るのではなく、個人的に滅茶苦茶好きなのが「コズミックブルース」。昔アナログで聴いていた頃からジャニスの声はもちろんだけど、それよりもバックの演奏と特にギターのフレーズの良さに感動していて、中でも「One Good Man」で聴けるギターのフレーズは絶品もので、クレジットされていたサム・アンドリューってすげぇギタリストなんだ、ってず〜っと思ってたんだな、これが。
で、話はズレるけどこの時期にマイク・ブルームフィールドとアル・クーパーによるマイク・ブルームフィールドとアル・クーパーによる「スーパーセッション」を聴いていて、そのギターフレーズに感動しまくってたので、コピーしてみると一緒じゃねぇか~ってコトで、ブルース系ギタリストの王道なんだ、と思ってた。そうしてマニアになっていけばいくほど色々な事が分かってきて、何とこの「コズミックブルース」というアルバムではポール・バターフィールド・ブルース・バンドが全面的にバックバンドとして参加しているとのことで、今でも明確なクレジットがない事からすると、レーベルの問題もあって名前が出せないんだろうなぁと深読みしちゃうワケ。それでもこのサウンドの違いははっきりと分かる。そもそも「As Good as You've Been to This World」「Work Me, Lord」はPBBBの十八番なワケだし、その違いを聴くのも面白い。で、ギタリストはマイク・ブルームフィールドだったんだなぁと改めて自分の好みを実感して、更に驚いたのはジャニスという稀代のボーカリストを迎えて演奏したPBBBって凄い組み合わせだな、と。時代の産物。願わくばジャニスの歌でジミヘンがギターだったら凄いだろうなぁとか妄想してしまうのであった。とは云えども「Little Girl Blue」なんてのはバックの面々はクレジット通りかどうか分かんないけど、良い味でのバラードでギターもさりげなくて実に良い。