Jimi Hendrix - Axis : Bold As Love



ジミヘン…何度目の登場だろ?やっぱ好きなのかな、っつうかこの時代の寵児だよなぁ。一番よく聴くのはもちろんファーストアルバム。で、未だにまともに制覇できていないアルバムが「エレクトリック・レディランド」。何十回聴いてもまだ見えていない部分があってさ、まだまだだなぁと修行中(笑)。で、ちょっと前くらいにようやくなんとなく制覇できたのがセカンドアルバムの「Axis : Bold As Love」かな。まぁ、それでもまだまだなのかもしれない。この人はホントに奥が深いので聴き込んでも聴き込んでも足りない…まだまだ自分が未熟者だ、って感じる。何だろね、こういうのって。
クラプトンがギターを弾けなくなるくらい衝撃を受けたってのも十分わかるインパクトを放っていたジミが1967年にリリースしたサイケデリック色たっぷりのセカンドアルバム。冒頭の「EXP」だが、最初のコレってベースのハーモニクスの音かな、「え?」って感じで面白くて凄く効果的。で、いきなりラジオ放送局みたいに始まって効果音とノイジーなギターでグワングワンさせてから滅茶苦茶ポップでヘンな「Up From the Skies」の始まり~。ノエル・レディングのベースラインがひたすら曲を引っ張っていってジミはワウペダルのみ…、でもさ、これくらいの音の高さでワウペダルだけで持ってくって歴史上、この曲くらいじゃないか?それくらい珍しいトーンが全編に散りばめられてて、あ~、なんか凄いサイケ。やっぱドラッグっつうかLSDの雰囲気たっぷりだわ、これ。この人もクリームと一緒でスタジオ盤とライブのギャップが激しい人だ。ジミの場合はもっともっとスタジオ盤を聴き込まないとダメなんだなぁといつも感じる。
「Spanish Castle Magic」みたいなストレートなロックはそのまま聴けるからいいんだけどさ。でね、この人の凄いなぁ~って感じるのは忘れてるんだけど、この人アメリカの黒人なんだよな。だから、その手のサウンドやらせるとやっぱ凄くて、でもバックが英国人だから微妙な混ざり具合になってるのが特徴だが、それが顕著に出てくるのが「Wait Until Tomorrow」。曲中に鳴っている滅茶苦茶柔らかい手首から奏でられるファンキーなカッティングを交えたギターリフが耳を捉えて離さない。だからまだまだ抜けられないんだよなぁ。他の音や曲としての聴き込みをする前にギターが耳に入ってくるのでそこまでなかなか行かないんだよ、コレ大変なの。このままドゥービー・ブラザーズに入れるくらいのものよ。でも、そんなに単純なものでもないのがいいね。でもってなぜライブでは登場する機会がなかったのか、はたまた自分がライブバージョンを知らないだけなのか、滅茶苦茶ロックなかっちょいい「Ain't No Telling」はいいね。ミッチのドラムとジミのギターがいかにも、って感じで疾走感もあるし好きだなぁ。コレはドラムが全てかもしれん。そしてお待ちかね…、超名曲「Little Wing」はどうしてもっと長く弾いてくれないんだ~って叫びたくなる一曲で、最後のソロをもっともっと聴きたいんだよな。ライブでもそんなに長く弾かないし、すごく欲求不満の溜まる名曲。夢の続きはS.R.ヴォーンが見せてくれたのでまだ救われてるけど、冒頭のイントロから衝撃的で、アコースティックでもないのにこんなフレージングで美しいメロディを歌ってくれて、そして感動的なまでのギターソロ…これを大音量で聴いて、もしくは演奏して恍惚としないヤツはいるんだろうか?う~ん、美しい…そしていやらしい…、ロックだなぁ…。
で、B面。「If 6 Was 9」…意味あるんかな、このタイトル。これは…、なんだろなぁ、きっとジミは宇宙に行きたかったんだろうなとしか思えない一曲。ミッチもノエルもジミもワザ全開でこういうのをスタジオ盤に入れてしまうとこうなるんだ、みたいな…、やっぱライブなら良いけどスタジオ盤として入れるとちょっと浮くんだな。納得。次の「You Got Me Floatin'」はちょっと退屈なサウンドかな。もちろんギターのリズムとか聴き所がいっぱいあるんだけど、好みではないかな…、ま、強引なミックスにもちょっと驚くけどこういうのの過度期だったんだろう、うん。そしてある意味では「Little Wing」と同じ曲の作り方になっている部分もある「Castles Made Of Sand」はジミながらも秀逸な曲で、逆回転のコラージュはいらないと思うけど、曲自体は凄くしっかりしてるよね。もちっとシンプルにやってギターソロも普通にやってれば良かったのになぁ。ま、ジミのセンスの方が優れてるんだからこれで正しいんだよ。ん?で、確か次の「She's So Fine」はノエルの曲だよな?結構良いセンスしてて好きだな、こういうの。もちっと歌が軽いと更に○。う~ん、終盤だ…。ジミの歌がクローズアップされた「One Rainy Wish」もしっとりした良い曲で、こんなのいきなり聴かされたらジミとはわからないような曲で、でも途中からえらくヘヴィーに展開されるトコが面白い。もっと普通にエモーショナルなギターを弾いてくれ、と思う面もあるが。で、再度ワウペダルが強烈にリズムを刻む「Little Miss Lover」、これもライブでは聴かなかったけどあってもいい曲じゃない?ちょっと単調すぎたのかな。そして最後にはアルバムタイトル曲が自信ありげに収録。やっぱ時代の象徴だったんだろうなぁ、こういう曲調って。しかし、ようやく気持ち良くギターを弾いていてくれて嬉しい、これ♪心地良いもん。やっぱこういうんじゃないとこの時代はダメよ。人に構わず自分だけの世界に入るっていうヤツ。
改めて聴いてみるとクリームの「カラフル・クリーム」と随分共通する要素が含まれてるのに驚いた。立て続けに聴いたからかな。どっちもトリオで各楽器担当のミュージシャンもどちらも凄いプレイヤーで…、ああ、そうだったんだ。今更ながら思うけど、同じ形態のバンドで同じような志向でやってたんだ、このバンド。しかし、知らなかったが、このアルバムのアウトテイクス集ってのがオフィシャルでリリースされていたんだ…しかも二枚組とは知らなかった。聴いてないけど面白いのかな?ちょっと惹かれるけど…、う~む。
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