George Harrison - Cloud Nine

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George Harrison - Cloud Nine (1987)
Cloud Nine

 ふと胸キュンな気分を味あわせてくれる音が気になって、ジョージ・ハリソンをライブラリから探してみる。随分昔になるけどビートルズは勿論ほぼ制覇して、その後はそれぞれのソロアルバムなんかに手を染めていくんだけど、大抵はジョン・レノンから入っていくし、平行してポール・マッカートニーへ進むのが王道だろう。ジョンは好きだったから全部集めて聴いてたけど、ポール・マッカートニーのは何かを聴いて全然好ましくなくって、手を出さなくなっててソロ関連はベスト盤くらいしか持ってなかった。一方でリンゴ・スターのアルバムならまだある程度持ってたし聴いてた…まぁ、面白くもなかったけどそれなりに、くらいか。そんでジョージ・ハリソンとなるとこれが意外に一番独り立ちしてやってるんじゃない?ってな感じでね。もちろん天才ジョン・レノンの足元にも及ばないが、一般的なミュージシャンとして普通のレベルでやってるってトコでさ、ビートルズって名前が売ってるのはあるが音的にもまぁ、そこそこ、って。んで、アレコレやりながら一躍ヒットとなった驚きのアルバムがコレ。

 「Cloud Nine」1987年リリースの誰でも知ってるアルバムジャケット。ジョージ・ハリソン一連の作品からすると実はあまり変わってないんだがジェフ・リンのプロデュースが臭くてねぇ〜、それがTravelin' Wilburysに繋がるくらいの仲の良さなになる。ただ、とっても良くジョージ・ハリソンの中味を引き出しててだからその中味の人間性が売れたアルバムなのかな。当時は「Set On You」のヒットで手を出したアルバムでしかなくて、そんなにアルバム的にきちんと良かった、という記憶はない。何か暗くて落ち着いた大人のアルバムだな、ポップスってのもキャラキャラしてないから違うし…ってくらい。クラプトンのギターとかも全然マイルドでつまらんかった。

 ところが何年もして聴いていると、そして今回もだけどこんなにジョージ・ハリソンらしいサウンドのアルバムだったんだ…と。そりゃもちろんキャッチーにしている部分はあるけどジョージ独特のモノ悲しさとか出ちゃっててさ、メロディセンスも胸キュンなワケよ。「Set On You」が浮いてるだけで他はもうそんなんばっか。アルバム冒頭のタイトル曲「Cloud Nine」なんてクラプトンのソロアルバムか?と思うくらいだしさ…、しかしクラプトンってこういうセッションだとホント個性発揮してくれるよねぇ、一発でクラプトンだろう、あクラプトンしかこんな入れ方してこないな、音色もフレーズもさ〜みたいなの判ってしまう。そしてさすがのブルース・ギターなワケです。その時点でこの「Cloud Nine」というアルバムが決して脳天気な作品じゃないってのが予想できる。ジョージ自身のギターもスライドなりインドなりで面白いしクラプトン絡むと更に多様化して、実はドラムもリンゴ参加してますみたいな派手じゃないけどなかなかのメンツ揃ってるから良い感じ。こんなアルバムだっけなぁ〜、ものすごい良作でジョージ・ハリソン史上一番の作品かも。気分がハマるとホント素晴らしくハマる傑作。



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フレ
Posted byフレ

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