Mott The Hoople - Mott The Hoople

色々な音楽との出会いがある。初めっから一気に惚れ込んで今でもそのまま一途に好きなままというのもあれば、初めは全然ダメだったけど段々判ってきて好きになっていったもの、逆もまた真なりであろうし、新たに衝撃を受けるモノなど様々な音楽があるお陰で自分でも色々な体験が出来て楽しめる。元来音楽なんてそんなものでもなく、人生のバックグラウンドに音楽が流れている程度なものだと言うのが大半だろうし、ロックなんてその中の極々一部でしかないし、そのまた一部が人生を通してロックを聞いている人間達だろう。でも、ロックも長いから結局聞いた人や好きだった人は多いし、それはそれで楽しめるものだ、
んで今回のモット・サ・フープルのファーストアルバム「Mott The Hoople」は1969年リリースなのだが、もちろん自分は後追いで聞いただけ、しかも最初は高校生くらいの頃になけなしの小遣いをはたいて買った一枚でもある。だから結構聞いたんだけどさ、全然ピンと来なかったんだよね。その後に「All the Young Dudes」を買ってこいつはイイっ!って思って周辺は聴いたけど、初期はほとんど手を出さなかったし、レコードはあったけどあまり聴いてないってもんだった。でも、モット・サ・フープルって面白くてさ、もう何十年も聴いてる事になるんだけど、聞く機会がある度に印象が変わったり新しく発見したりして大抵好きになっていく。一気に惚れるって感じはないんだけど、いつの間にか離れられない感じで、かと言ってこればっかり聴いていたい、って言うような惚れ方じゃなくてね、何か面白い。
今回も何となくキンクスか…そういえばモット・サ・フープルがファーストの「Mott The Hoople」でヘンなインストでカバーしてたな、って思って引っ張り出して聴いてただけなんだけど、イアン・ハンターの全くボブ・ディランな歌い方が心地良くってさ。ボブ・ディランより歌上手いから聴きやすいし、どこか奥底に悲痛さがあって心揺さぶられる歌い方、歌声で演奏陣も上手くはないけど何かツボを得た演奏してて、それはミック・ラルフスのギターが牽引しているんだけど、そういう地味な所でモット・サ・フープルって良いバンドだな、って。それってファーストの「Mott The Hoople」が一番素直に出ている気がしてて、分かりやすい。ロックだぜ、って時にファーストを語ることはないけど、サラリとファーストの良さが会話で出てくるようになるとそいつは結構ニッチなヤツだね。派手さはないけど良い作品です。ケバケバの化粧をしててもかっこいいけど素顔でも勝負出来るんだよ、みたいなさ、そんな部分がピュアに記録された作品。是非聴いてもらいたいアルバムだね。
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