Led Zeppelin - Led Zeppelin III


 1970年レッド・ツェッペリンの面々はイギリスのウェールズ地方の小屋に籠もり新たなバンドの曲を準備することとなり、この辺が英国らしいところなのだが、伝承音楽に根付いたルーツを元々持ち合わせているがために出来上がったであろうアコースティック系の楽曲の数々、それが三枚目のアルバム「レッド・ツェッペリンIII」として仕上がるのはそう時間が掛からなかった。

 …と言うのが一般的な話なんだけどさ、そんなにアコースティックな曲、多い?B面を占めてるから多いってことになるんだろうけど、ペイジ・プラントで示されたようにアコースティックなだけではない壮大さも持っていたんだよなぁと考えると一概に片付けられないのは当然だな。今だからわかることだけど…。しかしデビュー後から一気にバンド全員で突っ走ってきたZepの面々がようやく一息つきながら、ってことでスノウドニアの小屋を選んで野宿みたいな合宿生活(だったかどうかは知らないが)を過ごしてアコースティック楽器を掻き鳴らすってのは凄くリフレッシュされただろうな。反応的にこの落ち着いたアルバムが出来上がるってのは彼等のハードスケジュールの影響も大きかったんだろう。まぁ、いずれにしても、だ、割と見落とされがちになっている三枚目、なかなか侮れないのだよ♪

 「移民の歌」=「Immigrant Song」のプラントの絶叫たるや、ロック界広しと云えどもこれほどのインパクトを持つ曲はそうそう多くない。野獣の雄叫びとばかりに耳をつんざくその叫び声は若き獅子の異名を十分に与えられる価値を持つ。そして内容がヴァイキングの伝説みたいなところもどこか神秘的で曲を更に昇華させているんだけど、まぁ、それよりもだな、やっぱり黄金のリフとボンゾのドラムだよ。もちろんジョンジーのベースも唸るように決まるんだが、ああ、全てがかっちょいいんだ…。アルバムではギターソロがないんだよね、それでいてこの強烈さなんだから相当の自信作だっただろうし、事実もの凄い勢いとパワーを封じ込めている楽曲で、これ、嫌いな人いたらロック聴かない方が良いよ、ほんと。すげぇんだもん。でもって場面は一転して「Friends」だよ。うん、複数形ってのがフレンドリーで良い。いや、それはいいんだけど、ライブでは日本公演で唯一演奏されたのみの貴重な楽曲なんだけど、まぁ、これもペープラで曲の持つ壮大感は実証されてしまったって感じはあるかな。が、もちろんこのオリジナルだよ。妙〜なコード進行で進むんだけど、ほとんどCのワンコードで構成されているってのが感じられない面白さってのがあるね。後半の盛り上がり方もエキゾチックで素晴らしい。で、レコードの奥の方〜から流れてくる「祭典の日」のイントロ…、もうちょっとはっきりとした音で聴かせてくれ〜なんてレコード時代からず〜っと思ってたんだけどCDリマスターになってから随分聞こえるようになったかな。一見どんなリズムとリフが弾かれているのかさっぱりわからなくて、これでよくプラントは歌に入れるものだと感心してたんだけど(笑)、えらくリズムが感じられにくい曲。これも才能だろうな、普通のものなハズなのにヘンに聴かせることが上手いんだよ、ペイジさんは。そうそう、この曲のギターソロって天才的なフレーズでさ、いや、なんつうか、シンプルで気持ち良いソロでさ、凝ってないの。曲が凝ってるからソロはシンプルにかっこよく、みたいな感じ。つい「狂熱のライヴ」のシーンを思い出してしまうよね、これ聴くとさ。次の「貴方を愛し続けて」も一緒だけど、これはライブとスタジオ盤では別物になってるからなぁ。スタジオ盤のコレはモダンなブルースに忠実で滅茶苦茶聴いてコピーした。ホント好きだったねぇ。イントロからしてさ、一音一音完璧な音使いで丁寧に弾かれていて、空気感も見事にパッケージされててさ、凄く空間の多い曲なんだけど、それがすごく良い雰囲気。プラントの声も見事にブルースしてて、この頃まだ20幾つの頃でしょ?天才なんだなぁ。そしてボンゾのペダルのきしむ音まで聞こえてくるっていうのも、オルガンの優しさも全てが絶妙にマッチした名曲。そして何と言っても強烈なギターソロ。参ったね。黒人ブルースよりも何よりもこの曲でブルースを学んだもん。うん、邪道でもいいんだけど、それくらい強烈。今でも聴き始めるとコレはギターを持ち出してじっくり聴いちゃうね。で、A面最後だった「Out On The Tiles」かな〜りかっこいいリフだけで構成された曲で、後半の高音源でのコードリフが結構エグくて好き。で、ボンゾのドラムに捧げる曲みたいなさ、こういう曲ってお目に掛からないねぇ、ま、Zepでもライブではあんまりやらなかった曲なので、何かやりにくい理由があるんかもしれん。

 う〜ん…やっぱり長くなってるなぁ、一日一曲ずつ書いてってもいいかもしれん(笑)。…な冗談はさておき、回転ジャケットっていうアイディアもおもしろいよね。右側にメンバーの顔が出るくらいの大きさの穴が空いているトコがあるんだけど、そこに誰の顔を出してレコードを飾るかってのがあってさ(笑)、バンドの連中は皆もちろんそれぞれの楽器担当の顔なんだが、どれもヘンな表情だったんだよな。

 で、B面、「Gallows Pole」からなんだけど、昔はやっぱり何回も聴かない面だったな。ただ、そう言うのも含めたロックだっていうのはあったから好き嫌いじゃなくて聴くようにしていて、そうしていると色々と学ぶこと多くて、この曲もアコギの音色だけどリズムが凄くロックで、まぁ、それが強調されたのはペープラで再演奏されてからなんだろうけど、そういうところがZep的なんかな。カッティングの練習なんかには丁度良いよ。それから名曲「Tangerine」。まさかミカンの歌だとは誰も思わなかっただろうが(笑)、いいじゃないか、ミカンだって何だって、ロックなんだよ。アコギを持って最初にコピーしたのがこの曲。だってイントロが簡単だったんだもん(笑)。ま、それはともかくとしても途中のスライドギターでの甘いトーンのソロが堪らなくかっこよくって、その音色もだけど、リバーブ音っつうかそういう音の作られ方も凄く良い雰囲気でさ、さすがだよなぁ、って。「That's The Way」くらいになってくると確かに何のアルバム聴いてるんだっけ?ってなってくる。今じゃトラッドなんかもラクに聴いてるから平気だけどロックバリバリのガキの頃は違和感あったのも事実。でも、かっこいいんだよな、これ。多分プラントの熱唱が凄くロックだったんだと思う。う〜ん、とは言ってもなんか凄くアメリカを忍んでって感じの曲になってるのが面白いんだけどさ。「花のサンフランシスコ」じゃないけど、そんな感じの匂いもするね。ま、プラントが好きだからねぇ、そういうの。「スノウドニアの小屋」=「Bron Y Aur Stomp」…どういう邦題なんだ??まあ、良し。これはねぇ、言うならばアコースティックドラムの曲だな(笑)。エレキ入れてバンドでやってるのもあるんだけど、やっぱアコギスタイルのが良い。なんつうのか…こういう曲もこれ以外で聴いたことない。多分独特の音楽だろうなと。なんかさぁ、メンバーがみんな楽しそう〜に演奏してそうじゃない?笑いながらリラックスしてやってる、みたいな。そういうのを楽しめるようになってくるとこの辺の曲が更に興味深くなってくるんだよ。どっかで笑い声とかないかなぁとかね。で、最後は「Hats Off To Roy Harper」。うん、この頃英国ロックに多大な影響を及ぼしていたロイ・ハーパーに捧げる曲。ジミー・ペイジは84年に一緒にアルバム作ってるし、70年代中期には彼の作品へのゲスト参加も多く見られるしね。一方ではピンク・フロイドあたりとも繋がってくるし…、ロイ・ハーパーの作品自体はシンプルなアコースティックな作品なんだけど、どこかやっぱり共感できるところがあるんだろうな、自分ではまだそこまで行ってないんだけどね。

 う〜ん、そんな感じなので改めて聴いてみて、やっぱりZepは凄い。言葉では何を言ってもしょうがないんかなぁ、ってくらい凄い。そしてこのアルバムをリリースした翌年、次の「IV」が出る前の1971年9月末に日本に初上陸して数々の伝説を生み出していったのである…。この辺語ると大変なんだけどさぁ、来日公演初日ではあまりの熱狂さにアンコールで曲を一旦止めてしまうとか、前説が糸井五郎氏ですごく時代を感じるMCだったりとか、何と言っても9月29日大阪公演が最早伝説中の伝説になるくらいの名演奏で、ボンゾが途中でトイレに行くとか(だから「Friends」が聴けたんだけどね)、ホテルからモノを投げて壊すとか、六本木のライブハウスで4時間半演奏してたとか…。キリない。すげぇバンドだよ、ホントに。

Comment

[1940] こんにちわ

トラックバックありがとうございました。なかなか素晴らしいブログですね。Out On The Tiles は昔バンドでカバーしてみたことがあります。やっぱり,やりにくいと言えばやりにくい面がありました。私はギターだったのですが,ドラムのタメがつらかったですね。タイミングがとりにくい。それがウチのバンドに限ったことなのかどうかはわかりませんが。はい。また寄せてもらいます。よろしく。

[1941]

フレさん、フレさん。
スキがなくなっちゃってるよ(笑
トンでもない記事になっちゃってるよ〜!

やっぱりジミペイさんのこと書かせたら
フレさん、やっぱすんごいね。
貴方を愛しつづけて、って感じ。
あ、今アタシうまいこと言った(コラ

ウチの実家にね、ZEPの日本公演のチケット半券とかあったりするんだけど
怖くてさわれないね。

もちろん、ウチの親父殿のだけど。
すごかったぜ、って聞くとさ・・・
やっぱり勝てない・・・。

[1943]

この記事は力作ですね〜。

実は自分の中では『掘戮匹Δ靴討眤召犯罎戮襪藩遒舛襪鵑任垢茵

これを好きになれたらツェッペリン通てきもするのですが...

[1944]

この長さだけで、十分ツェッペリンへの愛を感じますね。

僕は『掘拗イです。英国トラッド/フォーク系を聴きこんだ後で、これを聴くと全く印象が違います。ペイジやイアン・アンダーソンもそうですが、トラッド/フォークの消化の仕方が本当に巧いと感心します。

[1946] 一日一曲にしてくれたまえ★〜〜

凄すぎ!お盆はZEPザンマイかい?(爆)
前に私も書いたんだけど・・・この辺から本当にZEP好きか否かが決まってくるよね!ZEPが聞けたら、このアルバムが好きだったら、オールジャンルの音楽が好きになれるんじゃないかな〜って思います。それほどにプログレッシブ、多角的ですよね!

[1950] うわっ、なげー

ひさしぶりに来ました。(笑)
友人が「掘廚和椋遒世ら買わなくてもいい。とか言ってたけれど天邪鬼みたいなところがある僕は買いましたね。
で、聴いてみたら何が駄作なのかが解らなかった。「機銑供廚僚展さから脱却しつつあるような、違う一面がみれて、買った当時は色々考えましたよ・・・。「掘廚和椋遒任呂覆い隼廚Α
ZEPのなかでよく解らなかった?受け入れにくかったのは「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」のほうでしたね。持っているけど聴かないな・・・。

[1952] こんにちは、初めまして

トラバありがとうございました。ツェッペリンへの愛情の深さが、凄く感じられる文章ですね。Zeppのアルバム中最も、味わい深いアルバムですよ。私も大好きです。まあ、全アルバム好きなんですけど・・・(笑)

ところで当方のブログでは、フレさんの抜粋記事が文字化けを起こしておりまして・・・。何故なんでしょう?(^^;)申し訳ありませんが、今一度ご確認下さい。

[1956] 多数コメント感謝!もっと書いていいよ(笑)

>fumikuraさん
お褒めありがとうございます。「Out On The Tiles」は自分もギターなので結構すんなり弾いてたんですが、バックは頑張ってました(笑)。これからも適当に寄って下さい♪

>papini嬢
ん?スキがない?いや、そっか、書きすぎだもんな…、でも懲りないんだよ、もっと行くぞ〜(多分)。うん、ジミー・ペイジはねぇ、人生にかなり影響及ぼした人でさ、確かに「君から離れられない」(コッチの方が上手いんじゃないか??)って感じなんだよな(笑)。そっかpapini嬢のトコならチケット半券あるだろうなぁ、何回か見たことあるけどさ、レプリカ持ってたりするし…でも「すごかったぜ」って聴くとやっぱり勝てない…。うん。

>OZZYさん
いやぁ、長けりゃいいってもんじゃないのでわかんないけど、まぁ、リキ入れて書いちゃいました♪Zepはどれが好きと言われてもその日の気分で変わりますから何とも言えないですねぇ…。良いトコいっぱいあるし♪

>Yamaさん
(笑)、愛を感じますか、ありがとうございます。多分何の見返りもない愛です(笑)。そうですね、トラッド系を聴いてこれを聴くとルーツが見えてきてそれとロックが合わさってきたのをペイジが上手く創り上げているっていう深さがあるので面白いんです。そこに変則チューニングですからギタリスト的にも面白くて。そのへんバート・ヤンシュの影響なんでしょうけど…。イアン・アンダーソンなんかもそうですね、森アルバムなんか見事ですもん。

>エヴァ姉さん
ん?ヤダ(笑)。一曲づつ書いてたらいつまで経っても終わらん(笑)。お盆はヒマだったのでレビュー書きまくる時間がいっぱいあったのだよ。もう終わってしまうが、週末くらいまでは書きまくる。多分。でもさ、オールジャンルって言ったら五枚目の方がよっぽど多様化してないかい?ウチでそれを取り上げるのはいつか不明なんだが(笑)。

>森山ネム太郎さん
長くてすまぬ〜(笑)。Zepに駄作なし。かならず面白いところが見つかるんですよ。「イン・スルー・ジ〜」でも「ケラウズランブラ」とかさ、信じられない楽曲あったりするじゃない、そういうのをねひとつづつ攻略していくと時間がかかるけどその分面白くてさ…。ん、でも好みだから聴く聴かないはあるけどね♪

> For Your Pleasure管理人さん
ども♪そちらもウチの来場者がまた好みそうなサイトで楽しみです♪Zepは全て好きって、一緒ですしね(笑)。これからも遊びに来て下さい♪

[1964] ありがとうございます

当方のブログは始めたばかりでして、まだまだフレさんの足元にも及びませんが、宜しくお願いします。

[1969]

フレさん、ども!
ワタシはZEP靴任魯織鵐献Д螢鵑すごく好きなんですけど
なんと、「ミカンの歌」だったんですね!(笑)
でも「ミカンの歌」だと分かった後でも
やっぱりワタシはこの曲が好きですv-218

[1973] >もりたん

いやいや、それでも好きなのは変わらないっす。あまり歌詞がダイレクトに入ってこないので平気なんでしょうねぇ。

[2100] うれしいな〜

初めまして。いや嬉なーワタシ中2の時に?を買いそれ以来の信者ですが、?はZeppelinの音楽性が最も高まったアルバムだと今でも思っております。50台に成って久々にこの文章に出会い、しかもそれに続くコメントの多さに思わず感激致しました。何だかうれしいな〜

[2105] >熊ヒゲさん

ども♪
いや〜古くさいとは言うモノのやっぱりロックの伝説的な時代ですからリアルタイムで通られた方が羨ましくて…。少しでも訴えられれば、っつうか自分が好きで書いてるだけですが…。喜んで頂けて恐縮です。これからも密やかに応援ください♪

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 そういえばアントニオ猪木がWWEの殿堂入りするとか…。日本人的にはWWEよりも猪木の方が有名だからWWEって何?ってなりそうだが(笑)。今アメリカのプロレスってほとんど一本になってて、それを取り仕切ってるのがWWEのビンス。確執は色々あるらしいけど、まぁ、プロレス界ってのはかなり特殊な世界だからいつ確執氷塊合併ってのがあってもおかしくないしね。そんでTNAってのもアメリカにあって、これがまた不思議で元WWE選手がこれでもかってばかりに集まってる団体。そりゃもう面白いらしいが日本ではなかなか見れないのが残念。ちょっと気になってるんだけどさ…。不思議なのはホーガンもフレアーも普通に出てて、WWEとの関係は?なんてところかね。日本もそうなりつつあるけどまだまだ地味です。今後どうなっていくことか、猪木の殿堂入りもひとつのきっかけになると面白いんだけどな。
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