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ジミー・ペイジが久しぶりに活動を開始した、しかもプラントが忌み嫌っていたあのデヴィッド・カヴァデールとユニットで曲を作っているらしい、なんて聞いた時には随分と驚いた。カヴァデールの歌ってのはほとんど聞いたことなくて、もちろん第三期パープルからのボーカリストってことくらいは知ってるし、もちろんホワイトスネイクでしょ、この人は。それでもあんまり好みのボーカリストではなかったんだよな。しかもプラントからはモノマネ野郎って言われてたくらいだし、それで余計に偏見持ったままだったんだが…、で、ジミー・ペイジとユニットかい?世の中不思議なものだと思ったワケさ。後々聞いたらレコード会社の思惑と意向が強くて二人もまんざらじゃないってことでユニットやってみましたってコトらしいけど、それでも息が合わなきゃやらないだろうからねぇ。うん。
で、1993年に話題になってアルバムリリース。速攻で買って聞いたさ、もちろん。滅茶苦茶かっちょえぇ~。で、その時多分毎日2~3回くらいはず~っと聞いてた。まず最初に曲として楽しんで、次にギタープレイを楽しんでその後曲の作り方とか組み立て方とか聞いて、そのうち音の使い方とかリズムとメロディの組み合わせ方とか聞いて…なんて何度でも楽しんだ。やっぱ尊敬するジミー・ペイジのやることだから全てをほじくり出したくて、そういうぶっ壊した聴き方してたな。カヴァデールの歌ってのはあんまり気にしてなくてね、途中で、うん、悪くないし、ハイトーンボーカルじゃないんだなぁ、なかなか面白いじゃん、ってくらい。ジャケットのセンスも良いし、さすがジミー・ペイジだ、と。
初っ端「Shake My Tree」のイントロからして正にジミー・ペイジここにあり、っていうリフが炸裂でかっこいいよ。リズムの入り方もペイジ風だし、ひとつずつのフレーズが全てペイジ風でやっぱり独特のものを持っててかっこいいなぁ、と。カヴァデールもこういう歌い方初めてだろうな。ホンモノを知ったってトコじゃない?続く「Waiting On You」ももうちょっとリズム隊が重ければかっこいいんだけど、無理は言わないで聞くとやっぱりZep風の作風で地味ながらもらしさ全開で面白い。まぁ、ちょっとカヴァデールのポップなメロディが気にはなるんだけどさ(笑)。で、「Take Me For A Little While」は静かめな曲で、アルペジオから始まるんだけど、ちょっと変わった音使いしてるトコがペイジらしい。うん。これもやっぱカヴァデールのメロディがなぁ、いや、かなり良いメロディなんだけど、う~ん、やっぱプラントの歌をイメージしちゃうからダメなんだな、これはわがままだから、認めなければ(笑)。そしてジミー・ペイジのギターソロがこれまたかなり熱の入ったものでドラマティックに曲を盛り立てているよね、そこからまた静かなアルペジオに戻るってのが英国的な展開で美しい。新たな領域に入った楽曲のひとつじゃないかなぁと勝手に思ってるんだよね。ジミー・ペイジのキャリアの中でこういう曲ってあんまりないからさ。あ、ソロアルバムに一曲入ってるかな。そんでもって、大好きな「Pride And Joy」。シングルカットされたプロモーションビデオもかっこよくってさ、オベイションを持ってのユニット構成でよかったな。イントロのアコギ掻き鳴らしからリフが入ってくるあたりなんてさすがジミー・ペイジ、って感じで待ってましたって言いたくなるもん。リズムと構成が面白いんだよな、こういうのがペイジなんだよな、うん。いいよね、これ。
全部書いてると長くなりすぎるな…、ちょっと割愛していこう(笑)。うん。「Feeling Hot」、誰の発案の曲なのかな、こんなに早いビートを奏でるなんてペイジには考えられないんだけど、まぁ「Wearing And Tearing」っていう例もあるからおかしくはないんだけど、それでもさ、リフの旋律ってのはさすがなんだよな。その分曲がちょっと幼稚になってしまってる気がするんだけど、わがままは言うまい(笑)。ハードな曲の後にはちゃんと「Easy Does It」なんていう地味なアコースティックの曲が入っていて、こういうのってさ、聴き直した時にようやくその良さが実感できて…って今聴いてて思った。当時はあまり意識しなかった曲だけど、今聴いてみるとなかなか中性的な曲で良いかも。深みのある曲を作れるのもペイジ先生の才能なんだよな、英国人的っつうか…。次の「Take A Look At Yourself」ってのはもうちょっとノスタルジックにアメリカ気質を入れ込んだ感じで悪くはないが、ま、カヴァデール好みだろうな。別にペイジでなくてもいいじゃんっていう感じはするけど、音の作りは紛れもなくジミー・ペイジだね。ヨーロッパ的な壮大感を意識した、そしてZepに於ける、そうだなぁ、「Tea For One」って感じに近いかな、そういう「Don't Leave Me The Way」は結構好き。しつこい気もするけどフレーズのそこかしこでジミー・ペイジ的なセンスをたっぷりと感じられるし、ギターソロもうん、やってくれてるよ。もうちょっと鬼気迫るものが曲全体に宿っているとよかったんだけど、このプロジェクトの限界なのかもしれん。いや、全く素晴らしいんだけど、ロックの真髄っつうかそういう部分が欠けてるっていうかね。そしてもう誰にも真似できないリフメイカーとしてのセンスをバシバシと決めてしまった「Absolution Blues」。どんなブルースかと思ったらブルースじゃなくてバリバリのZep風リフスタイルのハードロックでさ、こういう変態的なのに心地良いのってこの人以外作れないよね。絶対に「Black Dog」を意識したリフだと思うしさ、できればもっと重ければ…ってしょっちゅう言ってるな(笑)。カヴァデールも結構頑張ってるけどもう少しなぁメロディ考えてくれればさらによかったのにな、これはしょうがないか。うん、キメのフレーズやら何やらとそこかしこで…はは、もういいってくらいかっちょいいトコいっぱいあるよ。最後は「Whisper A Prayer For The Dying」…ちょっと締まらないんだけど、まぁ、ヨーロッパ的なスケールの大きさを持った曲だからいいのかな。ちょっとペイジらしくはないけど、リズムの作り方なんかはらしさが出てるから良いか。う~ん、カヴァデールの才能の限界なのかなと思ってしまう面もあるかな。
何のかんのと不平不満はあるものの当時かなりハマり込んだアルバムだからなぁ、やっぱかっこいいよ。で、だ。やっぱ日本公演だよ、チミ。初めて生で動くジミー・ペイジを見れるってんで、これも東京三公演全部行った。「Black Dog」とか「In My Time Of Dying」なんかもやってくれてさ、歌はともかく目の前であれを弾いてくれたってことだけで感動。テルミンもバシバシ使うし、新兵器だったオートチューニング付きのゴールドレスポールもたっぷりと使って楽しませてくれてさ、うん、感動だったなぁ。コレって日本だけのライブで終わっちゃったんだよね。日本に来た時には既にペイジ&プラント企画がスタートしていたらしいからさ。
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