Head Over Heels - Head Over Heels

そういえば面白いのはアメリカのハードロックバンドって実はブルースに根ざした音やブルースそのものへの興味ってそんなに高いワケじゃないんだよね。英国のロック小僧達は大抵通ってるんだけど、地場のアメリカでは実は全然そういうのが多くない。稀にヘンな連中がブルースに取り組む事があって、その時はもうハンパなく取り組むのでさすがアメリカ!となるけど、国が広いから全部が全部そんなに広がってはいないみたい。キッスにブルースなんてまるで縁なしでしょ?そういうもんみたい。エアロはヤードバーズ好きだからブルース好きか、みたいな感じでちょいと面白い。結局自分達でそういうのを発掘していくセンスってのが違うんだろうなぁと。
1971年に出てきたHead Over Heelsというまたしてもアメリカのバンドの作品「Head Over Heels」でこちらもメジャー路線を切り開けなかっただけのバンドで、音的にもバンド的にもセンス的にもしっかりとメジャー路線に走れるスタートラインにはあるバンドですね。冒頭から「Roadrunner」のハードロックバージョンでエラくカッコ良くて驚いた。あの「Roadrunner」だよな?随分良い感じにアレンジ出来ちゃってるじゃない?みたいにね。どうなんだろうなぁ…多分テキサス出身だからブルースってのはかなり近い位置にあったんじゃないだろうか?その影響と思われるし、思い切りブルースハードロックバンドしてるので嫌いじゃない。ただ、テキサスブルースってほどのギターでもないし、ハードロックにしちゃちょいと凡粛な感もあるし、まぁ、ブルースロックバンドという加減だろう。演奏は上手いしバンドも上手いしレベルは完全にメジャー級のバンドなので売り方と運の問題だっただけでしょ。トリオ編成で、同じようなGFRにヒケを取る面はまるで見当たらないし。ただちょっとブルース面が強く出過ぎていたから大衆向けでもなかったってことだろう。
自分的にはブルースも好きだしハードブルースもテキサスブルースも好きで、こういうのは割とイケるハズなのだが、何かこうなっちゃうとイマイチ好まないんだなぁ…、ロックバンドの音としてはちょっと深みがなさすぎるからだろうか。器用貧乏的な所が馴染めないのかもしれない。普通にアコギでカントリーチックに出来ちゃったりする曲もあって、才能はホントに高いレベルにあるし、コンセプトもはっきりしているので悪い面はないハズなのだが…人の好みは難しい。
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