Stepson - Stepson

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Stepson - Stepson (1974)
Stepson

 アメリカのロックって、例外は多々あるんだけど概ねアメリカの空気を醸し出したバンドの音ってのが多い。簡単に言えば「カラッとしている」って表現。湿り気が無くて大変聴きやすくノリやすい、みたいな感じ。その分飽きるのも早いとも言える側面が強くて、だから故アメリカのロックは商業主義に走らざるを得なかったのかもしれない。どんだけB級バンドと聴いててもそういう側面は出身から切り離せなくて、普通にやったらどうしてもそうなるというものだ。一方60年代から続くサイケ・ハードの波からプログレに進化するバンドは長生きせず、ハード・ヘヴィーの方向に進んだバンドはやや生き永らえた?かもしれない。いずれもすぐに消沈してしまったみたいだが…。

 1974年にリリースされたStepsonというバンドの唯一のオリジナルアルバム「Stepson」なんてのを…、これも自分の発掘でもなく、いつもコメント頂く方からのチョイスです。メジャーグラウンドでもどんどんと消え去っていくアメリカのB級バンドを調べるのもなかなか大変だったりするのでこういうリアルな時勢と合わせたご紹介は大変助かりますね。今の時代なら、さっと試聴も出来るし即座に好みが判断できるキャリアも積んでるし、うん。んで、このStepsonと言うバンド、オレゴンからのバンドで、元々Touchというバンドからの残党が結成したらしいが、そもそもその前身バンドを知らないので経歴的にはそうなのか、って感じにしか思わなくて、それよりも音そのものはどうなんかな…と。1974年って…結構微妙な時にアルバム出せたんだからそれなりなんだろう、とは思って取り組む。

 うん、やっぱりそうだよな、B級感ではなくってメジャーに乗れなかった感の方が強い。音は完全にアメリカンハードロックな世界で、何らB級の類ではない、と思う。Kissやエアロとは言わないがモントローズやその辺くらいには迫れたんじゃないか?って思うが、その辺はアメリカの厳しさだろう。洗練されて、スッキリとしたコーラスワークも豊富で、キャッチーなメロディにスカッとした歪んだギターの音に快活な歌声が響き渡る、見事にアメリカンハードを実現したバンドだから故…琴線にまるで響かなかったバンド。こういうアメリカンってダメだなぁ〜、好きな人は好きな音だろうと思う。ただ、この音の録音の生々しさは良いね。

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Stepson
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フレ
Posted byフレ

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デューク中島  
アニマルズのカバーが結構有りました

これが出た頃、本家エリック バードンが、SUN SEACRETSってアルバムで、It´s my lifeをセルフカバーしてました。Frigid Pinkが 朝日のあたる家で、スマッシュヒットしたし、GFRは、孤独の叫び、FrostとBlue Oyster Cultが 朝日のない街をカバーしてましたね。単に 好きだの 愛とかじゃなくて、底辺の叫びみたいな所が、支持されたのでしょう。Touchは、初期プログレ バンドのひとつです。古いから 凝ったプログレじゃないですけど、良いバンドでしたよ。ジャケットはダサいです(笑)。Stepsonは、James Gang風のイメージです。助っ人のキーボードは、スリードッグナイトの人ですから ソフトな味付けになったのかもしれません。

2014/02/20 (Thu) 23:50 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>デューク中島さん

アニマルズって自分は全然聴かないですねぇ…、でもカバーは多くてベスト盤レベルなら何となく知っている曲ばかりってのはそういう理由なんでしょう。さすがの知識ぶりに感謝です。

2014/02/23 (Sun) 23:42 | EDIT | REPLY |   

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