Dust - Dust

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Dust - Dust (1971)
Dust

 アルバムジャケットってのはバンドの音をイメージさせるに実に重要なファクターであったはずだ。ジャケットがダサいとやっぱり音もつまらなそうだな、って気がするし、ジャケットがとってもファンキーだと軽いに違いないなどと、色々な思考を巡らせる事になる。例えば本日のお題となるDustというバンドの1971年のファーストアルバム「Dust」なんてのもそうだ。このジャケットだけ見たら、今ではデス系か何かのバンドのジャケットにしか思えないし、そういう音を想像するだろう。ただ、リリースされたのが1971年だからまだそんなジャンルが無い頃、即ちこういうジャケットは一体どの要素のバンドに当て嵌まるのか、ってのが定義されていない頃のお話だ。だから今このジャケットの話でズレてると書いててもどうしようもなく、結果時代が後からそういうイメージを作っただけなのだな。ネット上の2次元的なアルバム探しをしているとどうしても時代という背景が後からになるので損してるかもなぁ…。

 Dustのセルフタイトルアルバム「Dust」は凄いデスメタルです…または、激しいパンクな音です、なら良かったのだろうが、Sir Baltimoreが出てくると大抵コイツラも出てくるという類のアメリカ出身のハードロック…ってかブルースバンド?です。もっと基本的なR&Rバンドな感じですらあるが、その筋では結構な隠れ名盤とも言われるそうな…。何せ、ドラムは後にラモーンズに入るワケだし、ベースはニール・ショーンと一緒にやることになる人だし、歌とギターはキッスの初期プロデューサーをすることになる人で、トリオ編成でなるほどそういうキャリアを歩むことになるであろう方々のバンドとなれば、妙に納得してしまう音が出てきている気がする。軽めのR&Rとも言えるかな…どっかラモーンズやドールズ的、でもブルースもあるし結構ハードな路線もあったり、中心が見えないバンドながらテクニックはもちろんしっかりしているので聴きやすいし、隠れた名盤ってのは分かる。ただ、ホントにどこに向かってる?ってのが微妙だなぁ〜、アメリカでこういうのはウケないわな。

 しかしこういうのを聴くとニューヨーク・ドールズやキッスが独自に進化して出来上がったR&Rバンドじゃなかった、ってのが分かる。しっかりとその間にこういうパイオニア的なバンドがあって音の橋渡しをやってたワケだ。そういう意味では今ハードロックと呼ばれる原石はこのDustというバンドにあるのかもしれない。Sir Load Baltimoreはサイケハードの完成形として、Dustは今に繋がるまでのミッシングリンクとして、それぞれのハードロックの種類は大きく異るのが、そういう位置付けで聴くと分かりやすいか。あ、勝手な解釈です。

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Dust
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フレ
Posted byフレ

Comments 3

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デューク中島  
ジャケット買いでした

ハードロックではないアメリカンロック、シンガーソングライター中心のレコード屋に有って、二枚一緒に買いました。いきなりスライドで面食らったけれど、まあ無難なレベルの印象です。ラモーンズ初来日に関してコメント致しましたようにマークベルを見た時、「俺は、あんたがダストに居た頃に ダストのレコードを買ったんだぜ。凄いだろ?」と言いたかったのを思い出します(笑)。やはり 私の中では、8勝7敗の関脇的な位置の70年初頭のアメリカンハードロックバンドでした。取り上げて下さり有難うございます。

2014/02/19 (Wed) 23:04 | EDIT | REPLY |   
kazz_asai  
ジャケット勝負

Keyアレンジなどにも気を配った2nd「Hard Attack」は米HRの名盤として扱われることが多いですね。
しかしこの1stの方がメロディはキャッチーながらアグレッシヴな部分も散見され、個人的にはこちらの方が好きです。
たしかにミイラジャケットにこの音は似合わず、もう少し「毒」がほしかったようにも思ってしまいますが…安心して聴ける70年代HRの良心作ですね。

2014/02/20 (Thu) 00:03 | EDIT | REPLY |   
フレ  
ミイラジャケ…

>デューク中島さん
凄いです、それ。しかも辺境の極東の地、日本で、ですからね。

>kazz_asaiさん
セカンドあるんですな…、メモメモ…。そうですね、やっぱりメジャーを狙ってただけの音な感じなので「毒々しさ」が無かったのかも?

2014/02/20 (Thu) 20:12 | EDIT | REPLY |   

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