Sir Load Baltimore - Kingdom Come

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Sir Load Baltimore - Kingdom Come (1970)
Kingdom Come & Lord Baltimore

 アメリカの音ってあまりマニア的に聞いてた事が無いので普通のモノ程度しか知らない。そりゃあれだけ広い国だから英国B級どころか北欧各国のB級ハードロック的な音程度を出すバンドはたくさんいてもおかしくないわな。ただ、前も書いたけどアメリカって商業主義も早かったからB級すぎる音ではレコード出せなかったと思う。だからヘンなバンドはレコードすら出せない状況で、ヘタなのも同じく出て来れない状況だったと思うので、あまり一般的には見当たらない。その辺が異なるのは60年代のロックくらいだろう。60年代のアメリカはサイケの波が大きく来ていたのもあって、ヘンなバンドが山のようにある。その中にはハードロックに接近していたバンドも多数あったようだけど、ほとんど陽の目を見ていないと思う。ただ、そこから一部だけは抜け出てきたという歴史的なバンドも存在したらしい。

 Sir Load Baltimoreというバンド…そう、コメント欄で数名の方々から例を上げて頂いていたので気になって気になって、ってのが本音です。自分的にはこのバンド、全然知りませんでした。1970年に「Kingdom Come」というアルバムをリリースして、あと1枚出して沈黙、2006年頃に3枚目の音源が出てきたらしいが…くらい。それはともかくながら、この「Kingdom Come」というアルバム…、聴いてビックリなスーパーハードロックバンドな音で…いや、ハードロックっつうかガレージサイケハードに近いヘヴィロックでぶっ飛んだ。Blue Cheer聴いた時みたいな感じにぶっ飛んだが、もうちょっとハードロック寄りなのでかなり面白い。しかしパワーあるなぁ、アメリカのバンドは。あとワイルドで派手、ラフさもアメリカらしい…ってアメリカでしかこういうラフさは出せないんじゃないだろうか。それにしては結構凝った展開があったりするのも小手試しとばかりに出てきて、果たして何がどんな背景でこうなってるのかわかんないけど、凄い。とにかく凄い。うん、凄い。ギター聴いててもブルースベースじゃないのに、バンドの音としてはブルースが底辺にありそうで、そのヘンも不思議で面白い。ギターリフと歌とベースが重なってくる音作りもここまで来ると個性的ですらある。

 なんでバルティモア?なんで思ったくらいで、実はブルックリンの出身バンドらしい…この頃のニューヨークって事は割とアート系に近い部分もあったんだろうか。まぁ、シーンにヴェルヴェット・アンダーグラウンドがいたことを知っていたかどうか分からないが。それはともかく、コレ…面白い。こういう音、バンドでやってみたい、そう思う音だけど絶対出せないなぁ〜このワイルドさは。さすがにいつものロック好きの輩達がコメントで残すハズです。この音ならと納得したバンド。速攻でライブラリに追加。

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フレ
Posted byフレ

Comments 7

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ヒゲ・スカイウォーカー  
意外や意外。

フレさんがSIR LORD BALTIMORE聴いていなかったのはちと意外でした。
という私もてっきりイギリスのバンドだと思い込んでいて、後々米国産バンドだと知った時はこのヘヴィさとパワフルさはやっぱアメリカだよね、と妙に納得したものです。

2014/02/18 (Tue) 21:09 | EDIT | REPLY |   
デューク中島  
早速のご試聴有難うございます

手前味噌で恐縮ですが、70年代初めに このバンドのレコード二枚を持ってたのは仲間内では私だけで、盛んに これはいいよと紹介したのですが、みんなのテイストと合わないのか、誰も同調してくれませんでした(苦笑)。気に入って下さり 感謝です。わりとスカスカなバンドが多い 同時代のアメリカンハードロックの中で、このバンドの粘っこさは カッコよかったです。個人的な愚痴で恐縮ですが、実家の納戸に最重要レコードとして、これを含む千枚位置いてたのを 兄が昨年、無断で捨ててしまったので、これのレコード二枚も有りません。仕方なくCDで聴いてます(>o<")

2014/02/18 (Tue) 22:30 | EDIT | REPLY |   
クリタカ  
衝撃の一作

 歌は傍若無人、演奏は縦横無尽。音のバランスも楽器同士のアンサンブルもヘッタクレもありません。何もギターの音をここまで歪ませる事はないだろうに。まるで体に電流が走ったような衝撃です。この野蛮で原始的なアプローチこそ彼等の真骨頂であり、これこそへヴィーロックに心酔している者のみが味わえるカタルシス。まるでコレが気に入るかどうかを試されている様でもあります。レコ屋で発掘作3rd「Raw」を見つけたときは、人目もはばからず思わず「うぉ~」っと叫んでしまいました。
 そのうち国内盤でも出るのでしょうが、音を整えたリミックスなどにならない事を願うだけです。

2014/02/18 (Tue) 23:51 | EDIT | REPLY |   
デューク中島  
似た音のフォロワーに

FU MANCHUって 80年代後半のバンドがいましたね。最初聴いた時、似たような感じを持ちました。ジャケットは ダサい車のデザインばっかりだし、B級感たっぷりですけど、 好きだったです。ご存知かと思いますが、未聴でしたら 是非とも トライして下さいませ。

2014/02/19 (Wed) 11:08 | EDIT | REPLY |   
フレ  
轟音!

>ヒゲスカさん
うん、英国は攻めたけどアメリカは全く手を出さなかったから知らなかったみたい。サイケからの流れは更に手を出さなかったんで…。勿体無いことしたな〜とは思うけど聞けたからいいや。

>デューク中島さん
周囲に同調する人間なんて大抵どこにもいないもんですから…、まさか40年後に同じロック話してるなんて思いもしなかったですしね。

ご紹介のバンドもまたいずれ…はい。「デュークメモ」新たに作成しましたから♪

>クリタカさん
そうそう電流が走ったような、って良い表現ですね。リミックスもリマスターも不要でしょ、これは。3rdの発見状況は目に浮かびます(笑)。

2014/02/20 (Thu) 20:10 | EDIT | REPLY |   
Who?  

これはかっこいいですよね。DUSTにしろアメリカのハードロックバンドってブルースロックからではなくサイケから出てきました―というのが多い気がします。ガレージバンドのLITTERも最終的にはハードロックでしたし。

2014/02/27 (Thu) 21:04 | EDIT | REPLY |   
フレ  
そんな感じですね

そうそうガレージサイケからのと、GFRみたいに英国に影響受けた部類と分かれてるんだろうな、なんて思ってます。

2014/03/02 (Sun) 11:08 | EDIT | REPLY |   

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