King Crimson - B'Boom: Live In Argentina 1994

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King Crimson - B'Boom: Official Bootleg - Live In Argentina 1994 (1995)
B'Boom: Official Bootleg - Live In Argentina 1994

 色々聴いてると様々な方向に思考が飛び移りインスパイアされる。既に随分多くのインタビューや評論や記事など、そして時代に沿ってのリアルタイムなシーンの状況や音楽醸成などなど経験値も多少上積みされていることもあって、今ではあまり音楽雑誌や他の記事なども影響を及ぼすほどには読み尽くすことも少なくなった。こないだJimmy Page特集ってのがあって影響を受けたレコードなんてのが本人解説付きであったのを見て、なるほど〜、そうか…なんて新発見はあったけどさ。別に今でも色々な新情報は手に入るだろうし転がって来ているんだと思うけど、さほど気にしなくなってるのは歳のせいか…。その分自分で勝手に考えたり調べたりして納得していくっていう作業の方が多くなったなぁ…。

 1990年代に入って世の中はノイズやグランジ、そしてラップなどなど、綺羅びやかな様相は一転して退廃的な世界観に包まれてそれこそロックが台頭してきておかしくない世相なのにそんな素振りもなくどんどん衰退していった。ただ、面白かったのはノイズやグランジっていうアメリカのアングラからのシーンがメジャーの潮流に乗って出てきた時に、全然別次元から結果的には同じようなサウンドの完成形に行き着いていたのが再々結成のキング・クリムゾンだったって事。少なくとも自分的にはこの頃グランジなどは全然聴かなかったし、その周辺も全然ダメだったんだが、クリムゾンの新作となればちょっとは…と思ってね。そもそもエイドリアン・ブリューの歌だからダメだこりゃ、ってのはあったんだけど、話題にもなったし、何て言ってもちょこっと試聴できたのかな…「Vrooom」を。んで、「へ?」ってなって。その後少しして立て続けにリリースされたのがこの「B'Boom: Official Bootleg - Live In Argentina 1994」というライブアルバム。いや〜、衝撃的でした。

 「B'Boom: Official Bootleg - Live In Argentina 1994」は1995年にリリースされてるけど1994年のインプロビゼーション中心のダブルトリオ編成の実験的ライブがそのまま作品になったという感じらしいが、当時の周辺のグランジやノイズなんかのパワーに全然負けず劣らずのメタリックなノイズサウンドで圧倒的に巧いワケだからそりゃ格が違う。でも出てくるサウンドとパワーや刺激はかなり近い部分あって、バンド名とか知らなくても十二分に受け入れられる音で出てきたんだよ。そのヘンがキング・クリムゾンという柔軟性のあるバンドが生き残っていけた理由だろうが、当時はクリムゾンが…これ?「へ?」だった。なんでこんなに「メタリック」なのかって感じ。メタルじゃなくてメタリックね、表現しづらいけどホント、重金属よりももっと金属的で硬い音で…グランジの安っぽい音とはかなり異質。でも、出てきている音は類似してるという不思議。本能的にそうなったのかシーンを読み取ってこういう方向に進んだフリップ卿のセンスなのかはわからんが、多分ダブルトリオ構想があってこうなってるだろうからやっぱ時代なんだろう。70年代のクリムゾンの凄さも大好きだけど、この頃のクリムゾンのメタリックさも好きですねぇ〜。

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フレ
Posted byフレ

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