Lisa Hannigan - Passenger

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Lisa Hannigan - Passenger (2011)
Passenger

 ケルティックな音って自分の中ではこういうんだろうな、っていうイメージが有るんだが、それは多分にロックやポップスで聴けるあの旋律が強烈に入ってくるモノであって、主にバイオリンでの音が強烈な印象を残す部分が大きい。しかしだな、そのへんがアイルランド独特の旋律だ、ってのは判っててアイルランドの音楽なら何でもああいう旋律が入っているんだ、っていうのとはちょっと違うんだな。そりゃ当たり前だけどさ、そういうイメージから聴いてるから大いなる誤解をしてて、そういうのが出て来ないとどうにも消化不良なアイルランド音楽な感触さえ持ってしまう。別に悪くないし別の意味でのアイルランドらしさは感じるのでそれはそれで好きなんだけどさ。

 2011年にリリースされたリサ・ハニガンという女性のセカンドソロアルバム「Passenger」なんてのがアチコチで評判だったのでちょいと気になって食指を伸ばしてみる。このリサ・ハニガンって女性は割とマルチなプレイヤーらしく、それも普通にギターとかじゃなくてダルシマーとかその辺の民族楽器系を使うらしく、もちろんアルバム内でも普段の自分ではあまり聴き慣れない音が幾つも出てきて新鮮な感触を味わえる。期待していたアイルランド旋律はないので、その意味では残念なんだけど、どっから聴いても明らかにアイルランドな人だろうなと思えるメロディとか寒さとかそういうのがヒシヒシと伝わってくる。リサ・ハニガン自身がちょっと物悲しい歌声なのでそのせいかもしれないけど、やっぱり寒いんだよねぇ、アイルランドの音って。緊張感が高いとかテンションが張ってるとかなんかそういうのもあるんだけど、かと言って聴いていて疲れる音ではなくてどっちかと言うと逆に優しい音楽。不思議だけど面白い。

 この「Passenger」というアルバムもリサ・ハニガンの才能がこれでもかとばかりに炸裂している作品なのは間違いないが、それらの好意的な意味合いを踏まえた上で自分にとってはちょっと物足りないと感じたなぁ…それは単にロックさ加減がないからという理由であって音楽そのものの事じゃない。Amy McDonald聴いた時みたいってのか…The Cranberriesもそういう部分あるけどちょいとそのインパクトが不足してるってのかね…、流しておくにはホントに心地良い音です。でも、いいもの聞けたな。

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フレ
Posted byフレ

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