Atomic Rooster - Atomic Rooster

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Atomic Rooster - Atomic Rooster (1980)
Atomic Rooster

 ちょいと英国ブルースな旅へ…とでも思ってたんだけど日に日に気分ってのは変わるもので、普通の流れならばFleetwood Macへの展開なんだけどさ、そんなに好きなバンドじゃないし、クリスティン・マクヴィーっても全然興味ないし、Fleetwood Macのブルースもちょいと好みじゃないから気が乗らなくて…、んで、何か他にないかな~なんて思ってたら、鳥繋がりでいいや、ってことで一気に路線変更(笑)。

 1980年にリリースされたAtomic Roosterとは名ばかりのアルバム「Atomic Rooster」、実態はご存知のようにJohn Du CannとVincent Craneのユニットに近い音で、それでも当時売れる事のなかったVincent CraneとしてはJohn Du Cannのこの誘いを断ることはなく、Atomic Roosterというバンド名でやってみるか、って思惑があったんだろうと。その思惑は時代を反映したNWOBHMの流れに乗るもので、Atomic Roosterとしての昔の面白さやヘンさはまるで持たず、あるのはVincent Craneのハモンドの音くらいなもんだ。それでも、この「Atomic Rooster」というアルバムはとっても面白く仕上がっている。もちろん昔のAtomic Roosterの名残を思い残しながら聴くと全く聴く気が無くなるのだが、そうではなく、NWOBHMの一員としてのバンドとして聴くと間違いなくその傾向の音にあって、しかもハモンドが良い感じに鳴っているから古き良き英国ハードロックの流れもきちんと踏襲しているじゃないか、みたいな評価になるワケです。

 どんな音?って…、John Du Canのドスの聴いた歌声に歪んだギター…そこにハモンドも入るから分厚さはさすがです。ベースレスバンドなのに。ドラムは時代に即した叩き方なんじゃないかな、そんなに昔みたいにドタバタ感はなくてビートキープ的…特筆すべきモノでもない。やっぱりハモンドの音圧がとっても素敵。John Du Cannの器量はうまい具合に発揮されているけどバンドがどこに向かってるのかはまるでわからない何でもありの方向性を示唆した作品になっちゃってて、聴く側も困る(笑)。ブレないVincent Craneのハモンドがそれを救ってるけどさ…。でもね、そんな努力をしていかないと生きていけない時代だったんだろうなと思うし、頑張ってるアルバムです。

 今回調べてて気づいたんだけどJohn Du Cannって2011年9月に亡くなってたんですね…。こういう方の情報ってのは普通に入ってこないから残念です。

Devil's Answer: Live on the BBC
Atomic Rooster
Hux Records (1998-11-01)
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フレ
Posted byフレ

Comments 4

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kazz_asai  
英国HR精華

私は70年代にはAtomic Roosterはカール・パーマーがいたバンドとしか知らず、この作品をきっかけに聴き出しました。ですから私にとっての彼らの音とは、まずこの純正ハードロックなのです。
もともと彼らの音は最初の三枚だけでも全く印象が異なりますし、HRバンドとして仕切り直したこの作品は「Made In England」を愛好される方々には全く適さない音であったことは疑いがありません。さりながら充分なプロモーションを得られぬまま、サバスやギランなどのようにNWOBHMの潮流に乗ることができずに終わったのはまことに悔やまれます。
今、聴いてもメタリックですらある凶暴なVo&Dsと、70年代を生き延びた矜持を物語るようなハモンドのせめぎ合いは、有象無象の若手HMバンドには決して生み出せるものではありません。
残念ながら次作ではジョンの脱退によってこの路線も瓦解してしまい、一瞬の光輝で終わってしまいましたが…

2013/11/21 (Thu) 20:51 | EDIT | REPLY |   
クリタカ  
昔の名前で出ています

 先ずこのジャケがあのATOMIC ROOSTERである事を認識するのに若干の時間を要します(笑)。内容も一聴してNWOBHMに準拠した音作りで、コレがかつての独創性のあったあのバンドかと耳を疑いました。この盤にはハモンドは不参加ですが、むしろHARD STUFFの延長線上にある印象です。しかし、クレインとデュ・カンが一緒にやって駄作になるはずもなく、同時期の若造バンドと比べようもなく素晴らしい作品に仕上がっています。
 オープニングからアップテンポだけど疾走してない"They Took Control Of You"は魅力あるGILLANという趣で、何度も聴きたくなる不思議な後引き感があります。どうせなら新しいバンド名で再出発すりゃあ良かったのに・・・と言う批評もあるようですが、ATOMIC ROOSTER名義だからこそ後年またこうして再発されたり、取り上げてもらえるのですから老舗の看板の影響は大きいですね。

2013/11/21 (Thu) 21:22 | EDIT | REPLY |   
ヘビメタじじい  

コメントご無沙汰してます
アトミック・ルースター…は、知ってし、聞いたこともあるはずだけど…
記憶にない…
しっかしー、ベースレスでこのサウンドは凄いっすね~
こういう、ギターの派手なプレーなんかを目玉としないハードロック系って、玄人受けして、そんなに人気は出ないけど…
80年で、こういうの演ってた…
改めてじっくり聴きたくなりました、レンタル店にないかなあ~

2013/11/22 (Fri) 19:09 | EDIT | REPLY |   
フレ  
メタル・ルースター?

>kazz_asaiさん
その入り方は偏見なくて良いですね。NWOBHMの波の中でも結構な出来栄えのアルバムと思いますし、本文にもあるようにハモンドの古臭さがバンドを個性化している気がしますしね。これもまた一瞬の奇跡だったワケですが…。

>クリタカさん
古くから知ってる方にはもう別物ですね。Hard Stuffの延長なのは確かですが、コケたバンド名では出来なかったのと、やっぱハモンドの強烈さかな〜多分。確かにAtomic Rooster名義だったから再発されて評価されたってのあるし、意味ある名義なんでしょうね。

>ヘビメタじじいさん
お久っす♪
この時期のは尖ってて良いっすよ〜♪
レンタルってかYouTubeで聴きまくってください(笑)。

2013/11/24 (Sun) 11:51 | EDIT | REPLY |   

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