Foghat - Energized

アメリカナイズされた英国のバンドってのはいくつもあって、中にはホントにお前英国人か?ってくらいアメリカナイズされてしまったのもあるんだけど、そのウチの一つでもあろうバンドがFoghatだろうと。元々がSavoy Brownのメンツ3人なので英国ブルースバンドなイメージで聴いてたんだけど、どうもまるで異なっててやたらとアメリカンなワケよ。Humble Pieの中期とかもそうなんだけど、かなり粘っこいっつうか暑苦しい感じのアメリカンブギな印象。Foghatの場合はホントにアメリカ人入れてもっと洗練されていくんだけどさ…。ってことでまだまだオリジナルなメンバーが頑張ってた時代のアルバムから。
1974年にリリースされた3枚目のアルバム「Energized」は多分Foghat史上でかなり良質な作品のひとつに入るだろうアルバムで、冒頭の「Honey Hush」からして驚く。最初聴いた時は「かっこいいオープニングだな〜」って感じだったんだけどメインリフが始まったら思い切りずっこけるって話です(笑)。いや、こういう超速列車ってアリ?って感じで、サンハウスだけじゃなくって英国の中でもこんな風にやってたんですなと。何書いてるかわからん、って人はまぁ、聴いてみてください。明らかですから(笑)。さてさて、このかっこ良い超速列車はともかくながらその後も強烈な生々しいブギ…これこそブギなのだろうと思うような感じの曲が並び、どれもこれもしつこくて暑苦しくて粘っこい音がアルバムを占めてまして、どの曲も「かっこ良い」って感じるんだから見事。どこかソウルな感触も聞かせながらのハードロック領域は発展途上な様相を感じるけど、地力が確かだから微妙なバランスを保っているだけなのかもしれない。それにしてもこんなにゴキゲンなサウンドやってる割にどれもこれも線が細くて非力な感触を持つのは自分だけだろうか?アメリカのこの手の音だともっと力強さを感じるんだけどな…。不思議だ。
しかしあまりにも古臭い…70年代好きな人はとっても気に入る作品だろうと思うけど、今聴いてみると曲の作りとかが古臭いのかな、いや、悪いことはなくって苦笑いしながら「古臭い〜」って言える感じなんだけど、予定調和も当たり前でゴキゲンなノリもそのままでその代表的なのが「Home In My Hand」だろうか。みんなで騒ごうぜ、みたいな感じで、今時こういうダサさを思い切りやれるバンドもないな〜と。B面に入ればこれまた超速な「Wild Cherry」で…これさ〜、ダムドがパンクの第一人者とかで出てきたけど既にもっと巧くてパンクな曲やってるじゃねぇの、ってくらい「Neat Neat Neat」の巧い版です。所詮3コードだけど時代的にラモーンズとかよりも早いし、精々ニューヨーク・ドールズがあったくらいだろうけど、そんなの意識しなかっただろうし凄く斬新な音だったんじゃないか?実はこれに影響されてパンクバンド組みましたって人もいたんじゃないだろうか?勝手な想像だが…。ってなことで後年のアメリカナイズとはちょっと違う、もっとピュアにロックしている時期のFoghatの「Energized」はかなり聴き応えのあるアルバムで面白いです♪
Warner Music (2010-02-27)
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