Status Quo - Piledriver

ブギーってのは今でも自分的によく理解していない。シャッフルよりも強烈なビートなことか?でも、そうするとマーク・ボランのブギーってのは何だ?と。ハイティーン・ブギなんてのは全く理解不能で、ブギって言葉の意味がよくわからなくなってるのだ。まぁ、それまでも思いつつも全然深く気にすることもなく過ごしてきたのだが、バンドでもブギやろうぜ、なんてことはなかったし一体どういうんだろうな、と改めて自問してみるものだ。ボラン・ブギって軽やかで強烈な頭振り感があるワケじゃなくて軽くステップ踏む感じだしさ、やっぱ強烈にしたハードブギってのがどっちかっつうろ好みだろうか。そう、Van Halenの「Hot For Teacher」みたいなヤツ。ところが英国ではブギバンドって言われるのが幾つかあって、自分的にはあんまり通ってないし好んで聴いてもいなかった。面白いモンで昔からその手のにはあまりハマらなかったんだな。フォガットとかステイタス・クォーとかさ。ホントはこのヘンこそが英国のロック史として語るには外せないバンドらしいのだが…。
1973年にリリースされたStatus QuoのVertigo移籍第一弾アルバム「Piledriver」、もうね、「Piledriver」の使い手と言ったらストーン・コールドとかアンダーテイカーとかだけどさ…そうじゃないのわかってるけど思い出してしまうのはそっちだ(笑)。そんな強気なイメージで聴くStatus Quoの「Piledriver」は巧みな技が多数仕込まれている…なんてこともなく、普通なロックアルバムだ。冒頭からいわゆるシャッフル…、ブギってのかな、なんだが曲自体はもうベタベタのシャッフル調で面白みには欠けるけど、一辺倒な勢いがあるからブギバンドとしての地位を確立していった曲とも言えるみたい。自分的には次の「O Baby」のボランブギ的な曲の方がすんなり入れたかな。それでも最初の「Don't Waste My Time」で聴ける不思議なギターソロにはちょっと惹き込まれた。こんなリズムとノリなのにブルース色なんてまるでなく、どっちかっつうと英国トラッド的な旋律でソロが奏でられていてある種独特のムードが出ているという異色な音に出会える。な〜るほど…そのヘンが英国国民的バンドたるところなのかもしれない。他の曲ではブルース色がしっかり出てきてムーディに弾かれているのも多いのだが、どうも英国の若造達が影響されたブルースとはちょいと毛色が違うようだ。もうちょっと自国の伝承音楽の影響が強くて、そこにブルースフレーズを入れる感じに仕上げているみたい。へぇ〜、面白いアプローチだなぁ。A面はそんなことばかり考えながら聴いてて、割と静かな雰囲気な印象。
B面は冒頭からハードブギバンドの異名に相応しい雰囲気だけどブギじゃなくて普通に8ビートです(笑)。ただ、これこそ「Piledriver」という感じの勢いがある曲で誰が聴いてもかっこ良いな、と思える感じの曲が続いてバラードへ…、このアルバムに入ってるバラードは3曲くらいになるんだけど、面白いのはどれもギターの音色が特徴的な雰囲気を出しているってとこだ。そして最後には「Roadhouse Blues」で…、あまり気にせずに聴いてたらThe Doorsの同じ曲が流れてきて軽くびっくり。しかもほぼThe Doorsと同じアレンジとカバーでやっぱ思い切りブルース・ロックしてるんだよな。時代の流れかねぇ…。それでもギターのユニゾン部分とかはトラッド色強くなってたりしてやっぱりヘン。純然たるブルースじゃなくてフェアポート・コンヴェンションあたりとジョイントしててもおかしくない感じでさ、なるほどねぇ〜と発見が多数あるアルバムでした。Vertigoだし、もっともっとちゃんと追求しても面白いかなと言う側面に気づいたのでちょっとこれからも…、と。
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