AC/DC - Powerage

6 Comments
AC/DC - Powerage (1978)
Powerage (Dlx)

 2013年…自分が愛する70年代ロックからしたらもう40年経ってしまってるんだよな。自分的にはいつまでも70年代の望郷を追いかけているので時代がどんどん過ぎ去ることをさほど意識せず、寧ろ70年代と言う時代を逆行する事でどんどんと新しい発見をしていったもので、それが自分の時代の進化でもあった。どこか時間軸がズレているという気もするが、音楽そのものは常に新しい音に接していたという事に変わりはなく、それがたまたま70年代の音だったと云う解釈で良いだろう。だから実際にリリースされた時代と自分が聴いた時代ってのは隔たりがどんどんと出てくるものも多い。今の時代は更に4次元な感覚でロックを聴けるから時代錯誤も甚だしい取り組みをする人も増えている、といいな。今はね、有名な作品やバンドだけじゃなくてそれぞれに分岐したニッチな世界まで追求しやすくなってるしサンプル音源も聴けるし音源だって容易に手に入るのだから良い時代だ。ただ、自身で追求していく探究心やひたすら探すみたいなコレクター魂はなかなか養われないのかもしれない。

 一辺倒なロックンロールバンド、代表格でもあるAC/DCの1978年の「Powerage」。ボン・スコット存命中のアルバムでその前後のアルバムが傑作として評価が高いので割と埋もれてしまいがちだった「Powerage」だが、それも昔の話、今じゃこの頃のAC/DCの作品ってたくさんリリースされているワケじゃないから何度だって聴ける。そのウチ、昔はあんまり人気なかったみたいだけど「Powerage」もかなりAC/DCらしくて良いじゃないか…何てったって「Riff Raff」が入ってるんだぜ、みたいになるはずだ。いや、自分はあまりそういう評価を知らなくてAC/DCのアルバムに入ってるから割とそのまま聴いてるかな。あまり昔から聴いてたバンドじゃないんだよ。どっちかっつうと避けてたキライのあったバンドで、今思えば何で?だけどどこか一辺倒で面白味に欠けている、と思ってたからだろう。だからアルバム全部を聴いたのはちょっと後になってから。それが故に今どのアルバムを聴いても新鮮で金太郎飴状態な事に変わりはない。別に「Powerage」からAC/DCに入ったっておかしくないし、十二分に入る要素を兼ね添えてるアルバムだから駄作なワケじゃないしバンドらしさが無いワケじゃない。ただ、前後のアルバムがとんでもなく名盤だったってだけで、こいつも相当の名盤だよ。

 アルバムの冒頭からゴキゲンなサウンドで、あぁ、これこそAC/DCだよ…と「R&R Damination」がミディアムテンポでグイグイとグルーブしてくれる。しかしこのギターの音はホント唯一無二独特な音だよなぁ…ギブソンSGってホントにこんな音するのか?ってくらいSGの音がよく分かる。自分はギブソン系の音が好きだからSGの音ってのもなるほど〜と聴いてしまう部分もあって、それはアルバムの良さとは別で、決して太くなくて重みのある音じゃない、でも芯が通ってて抜けてくる、ややボーカルの音域とぶつかり合う部分があるけど相手はボン・スコットだからまるで問題ないし、かと思えばベースの音は割と低めに重心が取ってあるから妙なバランスが働く。ま、それこそ化学反応でそうなってるんだろうから意識してないとは思うが。そして人気曲「Riff Raff」…最初っからどういうギター弾いてるんだ?って思わせる。このリフはもうさすがだな〜、口づさみやすくてネチッこくてかっこ良い。ただ、他の曲もシンプルにかっこ良いし…、全く素晴らしい作品。やっぱり全盛期のAC/DCは強烈です。だからこそライブアルバム「If You Want Blood You've Got It」も同じ年にリリース出来たんだろう。

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AC/DC
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フレ
Posted byフレ

Comments 6

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ジョージ網倉  

AC/DCは文句なく一番好きなバンドです
初めは誰に勧められたわけでもなく市立図書館のCDコーナー漁って
そんで一人で好きになって知り合いに勧めたり…
最初は古いだけのロックだろうとナメてたんですけど

やっぱり自分で見つけたバンドってそういう愛着わく率が上がる気がしますね
多分リアルタイムだったらこういう出会い方はしてなかっただろうし、後の世代だからこそ受けられる恩恵(?)みたいなもんなのかなあ
無料のサンプルが至るとこ転がってるのはホントありがたいです

そりゃあリアルタイムでボンを見られなかったのはアレですけど…
幸いなのは今も現役でいてくれるバンドだってことですねえ

2013/11/14 (Thu) 18:24 | EDIT | REPLY |   
kazz_asai  
心の故郷

この前後の作品が非常に強烈なので、どうしても印象が薄くなってしまうのですが、AC/DCの美点が最も如実に現れている作品ですね。
30年以上たっても、やっぱりボンとアンガスの2枚看板は輝いています。
AC/DCが世界に冠たるバンドになったのはこの後であることは確かでしょうが、自分の心に真に響くのは常に「この時代」の音なのです。

2013/11/14 (Thu) 19:34 | EDIT | REPLY |   
フレ  
エネルギッシュNo.1

>ジョージ綱倉さん
AC/DCってルックスダサいから後回しになっちゃうし人に薦められてもやっぱりあのダサさが抵抗あって…ってのは自分です。こんなバンドを自分で見つけたならそりゃ一発で気に入るでしょう、素直に聴けば良かった、って自分も思いますもんね。現役でパワフルなライブが今でも見られるってのは貴重ですよ、全く。

>kazz_asaiさん
これも今聴くとAC/DCらしく傑作だな、ってわかる。時代の醸成って必要なトコもあるってことですね。そして「この時代」の音は自分のコレクションの中でもピカイチに光ってますね。なんだろ、この熱気、ダサさ、ひたむきさ、かな。

2013/11/15 (Fri) 18:10 | EDIT | REPLY |   
Shinyan  

大好きなアルバム...もしかして一番好きかも....
本当にパワーエイジだよね....
でも、どれ聞いても同じだと思われがちですが...アルバム毎に全くカラーが違うんだよね...
でも、やっぱりBON時代の方が良い作品多いよね.....(^O^)

2013/11/15 (Fri) 23:11 | EDIT | REPLY |   
クリタカ  
少しだけ後回しに・・・

 日本デビュー作「ロック魂」があまりに鮮烈でしたし、当然次作も期待するわワケです。ところろがそんなにおいそれと次々と買えるお金もあるはずもなく、また当時はひとつでも多くのバンドを知りたかったので、レコード屋さんの店内でテッド・ニュージェントと1st、2ndをパスしたANGELの三枚目かなんかを選んだと記憶しています。
 結局少し後にゲットしましたが、この「Powerage」が日本で最初に紹介されたとしてもファンになっていたでしょうね。"Sin City"なんか聴くと今でも熱くなってきます、燃えてきます!

2013/11/19 (Tue) 14:48 | EDIT | REPLY |   
フレ  
Powerageって訳せないな…

>Shinyan
この狭間のアルバムを一番好きって人もまた…(笑)。よく聴いたんだろうね。いつ聴いてもこのパワーはスゲェな〜って思うからなぁ。

>クリタカさん
やっぱ10年一日バンドでも聴けば燃えるんですな(笑)。

2013/11/19 (Tue) 21:56 | EDIT | REPLY |   

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