AC/DC - Powerage

2013年…自分が愛する70年代ロックからしたらもう40年経ってしまってるんだよな。自分的にはいつまでも70年代の望郷を追いかけているので時代がどんどん過ぎ去ることをさほど意識せず、寧ろ70年代と言う時代を逆行する事でどんどんと新しい発見をしていったもので、それが自分の時代の進化でもあった。どこか時間軸がズレているという気もするが、音楽そのものは常に新しい音に接していたという事に変わりはなく、それがたまたま70年代の音だったと云う解釈で良いだろう。だから実際にリリースされた時代と自分が聴いた時代ってのは隔たりがどんどんと出てくるものも多い。今の時代は更に4次元な感覚でロックを聴けるから時代錯誤も甚だしい取り組みをする人も増えている、といいな。今はね、有名な作品やバンドだけじゃなくてそれぞれに分岐したニッチな世界まで追求しやすくなってるしサンプル音源も聴けるし音源だって容易に手に入るのだから良い時代だ。ただ、自身で追求していく探究心やひたすら探すみたいなコレクター魂はなかなか養われないのかもしれない。
一辺倒なロックンロールバンド、代表格でもあるAC/DCの1978年の「Powerage」。ボン・スコット存命中のアルバムでその前後のアルバムが傑作として評価が高いので割と埋もれてしまいがちだった「Powerage」だが、それも昔の話、今じゃこの頃のAC/DCの作品ってたくさんリリースされているワケじゃないから何度だって聴ける。そのウチ、昔はあんまり人気なかったみたいだけど「Powerage」もかなりAC/DCらしくて良いじゃないか…何てったって「Riff Raff」が入ってるんだぜ、みたいになるはずだ。いや、自分はあまりそういう評価を知らなくてAC/DCのアルバムに入ってるから割とそのまま聴いてるかな。あまり昔から聴いてたバンドじゃないんだよ。どっちかっつうと避けてたキライのあったバンドで、今思えば何で?だけどどこか一辺倒で面白味に欠けている、と思ってたからだろう。だからアルバム全部を聴いたのはちょっと後になってから。それが故に今どのアルバムを聴いても新鮮で金太郎飴状態な事に変わりはない。別に「Powerage」からAC/DCに入ったっておかしくないし、十二分に入る要素を兼ね添えてるアルバムだから駄作なワケじゃないしバンドらしさが無いワケじゃない。ただ、前後のアルバムがとんでもなく名盤だったってだけで、こいつも相当の名盤だよ。
アルバムの冒頭からゴキゲンなサウンドで、あぁ、これこそAC/DCだよ…と「R&R Damination」がミディアムテンポでグイグイとグルーブしてくれる。しかしこのギターの音はホント唯一無二独特な音だよなぁ…ギブソンSGってホントにこんな音するのか?ってくらいSGの音がよく分かる。自分はギブソン系の音が好きだからSGの音ってのもなるほど〜と聴いてしまう部分もあって、それはアルバムの良さとは別で、決して太くなくて重みのある音じゃない、でも芯が通ってて抜けてくる、ややボーカルの音域とぶつかり合う部分があるけど相手はボン・スコットだからまるで問題ないし、かと思えばベースの音は割と低めに重心が取ってあるから妙なバランスが働く。ま、それこそ化学反応でそうなってるんだろうから意識してないとは思うが。そして人気曲「Riff Raff」…最初っからどういうギター弾いてるんだ?って思わせる。このリフはもうさすがだな〜、口づさみやすくてネチッこくてかっこ良い。ただ、他の曲もシンプルにかっこ良いし…、全く素晴らしい作品。やっぱり全盛期のAC/DCは強烈です。だからこそライブアルバム「If You Want Blood You've Got It」も同じ年にリリース出来たんだろう。
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