Evanescence - Fallen
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21世紀に入るとヒップホップの要素も上手くロックと融合して独自のサウンドが形成されていくようになったが、その中でももう一つ悪魔的な要素を持ち込んだ、と言うか映画「デアデビル」に使用されたことでバンドのイメージがそういう風に固定されたことで独自性を持たされたと云うべきか、いずれにしても見事に時代の感性とバンドのイメージがマッチしたバンドがエヴァネッセンス。バックはラウンドロック系ながらも、ボーカルを担っているのが可愛い女の子で人気を得ている。
アルバムとしてはまともにリリースされているのはまだファーストアルバム「Fallen」一枚だけ。他は昔のデモテープ集やらライブの寄せ集めやらで作品として出来上がっているのはまだまだらしいが、今アルバム制作中とは聞いているのでまたそのうちリリースされるのだろう。ファーストアルバム「Fallen」が驚異の売上げを弾き出してしまったのでセカンドアルバムのプレッシャーは相当なものだと思うし、彼等が狙ってそれを作れるかって疑問もあるけど頑張ってもらいたい。何てったってこのファーストアルバム「Fallen」は相当の傑作なんだもん。ボーカルのエイミーの歌がかなり上手くて、それがバックのヘヴィーな音とは異なったところで浮遊して聞こえてくるのも面白いし、男のドスの効いた声をバックコーラスっつうか掛け合いにしながらその上を行ってエイミーの歌声が奏でられるのは魅力的。しっかりとストリングスも入っていたりメロディーラインもかなり作り込まれていたりするので、面白いよ、このアルバム。エイミーがピアノで弾き語るってのもあってなかなか素敵。しかしアメリカの21世紀のラウドバンドの中では群を抜いたアレンジ力があるんじゃないか?アメリカらしくないもん。
冒頭を飾る「Going Under」の迫力がこのバンドの方向性を結実に物語っているんだけど、キメとノイズの中での美しい歌声とメロディは傑作。同様路線の「Bring Me To Life」もバックとの掛け合いが面白いノレるロック。映画で有名になった美しきバラード「My Immortal」の美しきストリングスとピアノのセッションに刹那的なメロディを歌い上げた楽曲の素晴らしさ。往年の英国ハードロックを踏襲したかのようなリフが刻まれる「Tourniquet」も聞いていて心地良いサウンドでさりげなくピアノが鳴っているあたりが曲に優しさを与えている…このリフでこのメロディとは、やっぱセンス良いかもしれん。そういう意味では「Whisper」も往年の英国ロック的リフによる曲展開を主としていて歌メロも意表を突く感じなので面白い。書いてるとキリないな(笑)。
テレビでライブやドキュメンタリーを見た事あるけど、ライブは何となく悪魔的なイメージをちゃんと持たせているので分かる。ただ、移動中のドキュメンタリー見てると当たり前ながら普通のお嬢さんとバンドやってる兄ちゃん達って感じ。このオープンさは、アメリカだからかもしれないが、昔なら何か神秘主義バンドみたいなのは素顔が出てこなくてそれだけで雰囲気持ってたりしたけどね。こうあからさまに見せられるとショウビジネスの裏側が見えてしまってちょっと興醒め。でもこのバンドは面白いので結構次作に期待中。
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