Steve Stevens - Flamenco a Go Go

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Steve Stevens - Flamenco a Go Go (1999)
Flamenco a Go Go

 ゴッドファーザーだっけかな…映画を見ててマイケルの結婚式周辺あたりでスパニッシュが流れてて心地良いな〜と印象深かった。そもそもスパニッシュギターの音や旋律、メロディはどこか現実逃避世界的な不思議な世界観がある。それは到底自分じゃ弾けるものじゃないし、どういう組み立てでスケールになっているのかすらも分からないし、そもそもインギーより速弾きだし一体何なんだ?くらいの高尚な世界。パコ・デ・ルシアなども聴いたけど尊敬の眼差しのみ。ただ、ずっと聴いてると飽きるってのはあるが。だからスペイン民謡のスパニッシュギター盤やスパニッシュ系のサウンドはちょこちょことライブラリに揃ってたりする。物悲しいくせに脳天気になれる、ってのはどこの民族音楽も似たようなモンだ。

 スティーブ・スティーブンスという超絶ギタリストの意外な一面と真髄ともなった「Flamenco a Go Go」というアルバムはスティーブ・スティーブンスのフラメンコギターをクローズアップしたアルバムで、ギタリストらしい作品。ロックギタリストとしてはかなり特異な作品だし、多分こっちが真髄で元来の嗜好性の中にあるものだろうと思う。メタルなフレーズを普段は散りばめてギター弾いているのに、本作ではそんなフレーズが鳴ることもなく、純粋にフラメンコ、スパニッシュギターのフレーズと音色で作られているアルバム。故にまるで異なる人物によるアルバムにすら感じる。こんな器用な人もいたもんだ、と驚くばかり。ロックテイストを意識したアレンジが施されているし曲によってはフラメンコとメタルフレーズの融合みたいなのもあるのでなかなか異色な世界で面白い。本気でギター弾くならこういうギタープレイも学ぶべきと思う。真のミュージシャンなんだな〜と感心する一方で、世のギタリストのどれくらいがこういうギターを弾けるのだろうか?などと思ってしまう。

 アルバム「Flamenco a Go Go」自体は1999年にリリースされていて、ビリー・アイドルのトコロから有名になって15年くらいしてから出したアルバム。そりゃ実績を積んだのもあるしここに来てようやく自分の趣味的な側面を出したアルバムを出してもそこそこ売れる時期と読んだのだろう。当時は中古レコード屋でバイトしてて、このCDはよく中古で売られてたから、普通にあの超絶ギターを期待して買ったギター小僧達は「Flamenco a Go Go」をあまり面白いと思わなかったんだな。だから中古で売りに来たのだろう。分からんでもないが、若い内にこういう音に出会ったら興味深く突っ込んでいくのも面白いと思うよ。ロックだからと言って一方向に決めてしまうよりもさ…とは今の歳になってから言える事。一途にロックに入るのは分からんでもない、か。しかしユニークなアルバムだ。しっかりとフラメンコ色を出しながらもロックテイストやアレンジを加え、ボイスも入れて雰囲気は出すものの、しっかりと飽きさせないような流れとアレンジが施されているのでかなりリキの入った作品になっている。もうちょっと派手に活動しててもおかしくない人なんだがなぁ…、ビリー・アイドルの相棒、氷室京介のバックくらいの位置付けでしかないのがちょい残念。あ、でも、ボジオとトニー・レヴィンと一緒にやってるのもあるから実力は証明済みか。う〜ん、バンドがないとやっぱ目立ちにくいねぇ…。

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フレ
Posted byフレ

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